2017年の新テクニカルレギュレーションによって、F1は“F1プラス”とも言うべき、今より一段上のカテゴリーのようになると、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーが語った。
来季F1カーにはワイドなウイングとタイヤが導入され、サーキットによってラップあたり今より3秒から6秒速くなることが見込まれている。
序盤は、空力面の変化により直線スピードがドラッグによってある程度損なわれるが、コーナーでは圧倒的に速くなると考えられている。
ヘンベリーは、ダウンフォースが大幅に向上することによって、コーナリング時の安定性が非常に高まり、まるでレールの上を走っているような感覚になるはずだと予想している。
「これほどのグリップをもってコーナリングすると、しかも1周あたり5、6秒は速くなるとみられているので、ドライバーはその違いを決定的に実感することになるはずだ」とヘンベリー。
「レールの上を走っているような感じになるかもしれない。大きなグリップをつけて走ると、限界ぎりぎりで走っているというより、レールの上を走っているような感覚になる」
パフォーマンス的に、今年と比べると別カテゴリーと言っていいほどの違いになると、ヘンベリーは考えている。
「限界を探るためにドライバーがコース上で最大限にプッシュしてみるまでははっきりしたことは分からない。しかしこれだけパフォーマンスが向上すると、他のカテゴリーといっていいほどだと思う」
「GP2からF1にジャンプアップするような感じになるだろう。今の状態と比べると『F1プラス』といってもいいぐらいになるのではないだろうか」
それだけマシンに違いが出ると、ある程度、ドライバーが新しい環境に慣れる必要が出てくると考えられる。
「多少時間はかかるだろう。だがドライバーたちは事前にシミュレーターで準備をしてくるので、実際に乗る時にはどういう変化が起こるのか、予想がついているはずだ」とヘンベリー。
「こういう場合、時にドライバー間に差が生じることがある。だがトップドライバーたちは『これを求めていたのだ』と言うだろう。彼らはより困難なことに挑戦したいと考えているのだから」