トップへ

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL スーパーフォーミュラ第4戦もてぎ レースレポート

2016年08月24日 17:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と星野一義監督
SUPER FORMULA Round 4
TWINRING MOTEGI 2&4 RACE

2016.8.20~21

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
No.19 J.P de Oliveira
No.20 Yuhi Sekiguchi

関口雄飛 初優勝!

 前戦の第3戦富士での1-3フィニッシュ、W表彰台獲得が記憶に新しいスーパーフォーミュラ。ポイントランキングも上位へ食い込むことができました。今回の第4戦もてぎでも引き続く好結果を求め、まずは予選ポールポジションそして2連勝を目指すラウンドとなりました。

8/20(土)予選
Q1 14:10~14:30 天候:☀ コース:ドライ
Q2 14:40~14:47 天候:☁ コース:ドライ
Q3 14:57~15:04 天候:☁ コース:ドライ
気温:33℃ 路面温度:38℃

 朝から雨が降ったり止んだりという不安定な天候となったツインリンクもてぎ。朝のフリー走行終盤には、土砂降りにも見舞われ、予選コンディションが心配されました。しかし、予選前には晴れて、コース路面もドライコンディションへ好転し予選が開始されました。

 今季よりヨコハマタイヤワンメイクへ変更となったスーパーフォーミュラですが、今回のラウンドは新たにソフトタイヤが導入。ミディアムタイヤを含めその選択戦略に大きな注目が集まっていました。

 Q1は14:10に開始。20分間で行われました。ITOCHU ENEX TEAM IMPULのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと関口雄飛は2台ともミディアムタイヤを装着し開始直後コースイン。残り約10分で2台共にピットに戻りセッティングを微調整。ここで、他チーム他ドライバーは全員ソフトタイヤに履き替えピットアウトしますが、朝のフリー走行からミディアムタイヤへのポテンシャルにも自信を持っていた首脳陣は、ミディアムタイヤのままQ1アタックを指示。残り4分半でピットアウトしていきました。オリベイラが1.33.440で1位、関口は1.33.468で2位、なんとソフトタイヤの他車を抑えQ1をチーム1-2で突破しました。

 続くQ2は14:40から7分間で行われました。2台とも新品ソフトタイヤを装着し、序盤はピット内で待機。先にオリベイラが残り5分半で、続いて関口が残り5分でコースアウトしました。今季初PPを目指したオリベイラがアタックラップ中、バックストレートで痛恨のブレーキングミス。1.33.692のタイムで10位へ沈み、無念のQ2敗退となりました。関口は、落ち着いてアタックを敢行。1.33.214をマークし、このQ2をトップで通過してみせました。また、例年にない実力拮抗の今季、全ドライバー中ただ一人Q3に進出し続けているのは関口のみです。

 ポールポジションを決する最終Q3は14:57~7分間で開始。Q1をミディアムタイヤで挑み、Q3出走8台中唯一、新品ソフトタイヤ1セットを残していた関口にはこれが大きなアドバンテージに。残り5分半でピットアウトし、1.33.002で圧巻の好タイムをマーク。参戦4戦目にして初PPを獲得。レース初優勝に向けまずは第一段階をクリアしました。

8/21(日)決勝レース
天候:☀
コース:ドライ
気温:33℃ 路面温度:44℃
決勝レース距離 4.801379km×52laps=249.672km

 前日の予選日同様、雨の予報が出ていた栃木県芳賀郡茂木町でしたが、決勝日は晴天に。厳しい日差しの中、レースが行われました。

 決勝のタイヤ戦略は、ポールポジションからスタートする関口雄飛~9位のマシンがソフトタイヤ、10位グリッドからスタートするジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを含む中位~下位のマシンは、ほぼミディアムタイヤでスタートすることに。15:00~52周レースの火蓋が切って落とされました。

 スタートにはあまり自信がなく、事前の練習でもあまり良くなかったという関口は、ここで持ち前の勝負強さを発揮。抜きづらいツインリンクもてぎでのレースでは、スタート~オープニングラップが非常に重要になってくるところ。見事なスタートを決めて1位のまま1周目を終えました。

 一方のオリベイラは、スタート自体悪くなかったものの、前方でスタートに失敗したマシンに前を塞がれ1コーナーを若干のオーバーラン。コースアウトにはなりませんでしたが、順位を3つ落とし13位で1周目を終えました。8周目、オリベイラにまさかのトラブルが発生。シフト系のトラブルにより、スローダウンし緊急ピットイン。ステアリングを交換し、再スタートを試みますが、走り出せずにここで無念のリタイア。悔しさを露わにしながらマシンを降りました。

 関口は、2位以下へのギャップをどんどん広げ、独走態勢へ。ソフトタイヤは温まりが早い反面、タイヤのタレが早いのが特徴。ヨコハマタイヤのソフトでのレースは初めてで全チームが未知数のレースとなりましたが、12周~20周目を目安に予定していたピットインを延ばしに延ばし、結局34周目終わりにピットインしました。メカニック陣はミスなく、4輪をミディアムタイヤに交換、給油を済ませ15.0秒でピットアウトします。関口の様子を見た他の上位ドライバーもこの後立て続けにピットイン。ピット作業で波乱が多かった今回のレースですが、上位は順位が入れ替わることなく後半に入っていきます。レース終盤上空を雲が覆い、急な降雨に備えてピット内ではレインタイヤも用意されますが、結局雨は落ちませんでした。トップで周回を続ける関口に、2位のアンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM'S)が徐々に迫り、若干差が縮まりますが凌ぎ切り、最終的には6.127秒差でブッチギリ。危なげない冷静沈着な走りで見事トップチェッカー。初優勝をポールtoウィンで決めました。

 非常に混戦の今季、なんと今回の結果で関口雄飛はランキングトップへ浮上。次戦岡山は堂々リーダーズレッド(オーバーテイクボタンランプがランキングトップ車は赤色)を掲げ乗り込みます。オリベイラのリタイアは残念でしたが、ITOCHU ENEX TEAM IMPULとしては前戦富士に続き2連勝。チームタイトルも僅差の2位へ付けています。今季残り3戦、うち2戦は2レース制で行われます。引き続きトップを目指し戦いますので、ご声援よろしくお願いします。

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 2016年シーズン ここまでの戦績
第1戦 鈴鹿 オリベイラ 予選17位 決勝10位 / 関口雄飛 予選3位 決勝14位
第2戦 岡山 オリベイラ 予選2位 決勝19位 / 関口雄飛 予選8位 決勝13位
第3戦 富士 オリベイラ 予選3位 決勝優勝 / 関口雄飛 予選5位 決勝3位
第4戦 もてぎ オリベイラ 予選10位 決勝リタイア / 関口雄飛 予選PP 決勝優勝
ドライバーランキング オリベイラ 7位 / 関口雄飛 1位
チームランキング ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 2位

TEAM IMPUL Next Race & Event Information
● SUPER GT 第5戦 8/27(土)~28(日) 鈴鹿サーキット
● 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦 9/10(土)~11(日) 岡山国際サーキット

※オートポリス(大分県)で5/21(土)~22(日)に予定されていたSUPER GT第3戦、ならびに9/10(土)~11(日)に予定されていたSUPER FORMULA第5戦が、この度の熊本地震の影響により中止となりました。被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げるとともに被災地の一日も早い復旧を祈念いたします。SUPER GTの代替戦は、11/12(土)~13(日)に予定されている最終戦のツインリンクもてぎ(栃木県)にて2レース制で行われます。SUPER FORMULAの代替戦は、9/10(土)~11(日)の第5戦の日程をそのままに、会場を岡山国際サーキット(岡山県)に変更して開催されます。こちらも2レース制で行われます。

監督・ドライバーからのコメント

星野 一義 Kazuyoshi Hoshino
 関口のスタートには若干の不安がありましたが、うまくいって彼は最大限パフォーマンスを引き出して戦ってくれました。これからも素晴らしいレースをしていきますので、是非皆さんにはサーキットでこの迫力を体感してもらいたい。今後も応援よろしくお願いします。

No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Joao Paulo Lima De Oliveira
 残念な結果となりました。今回でチャンピオンシップのチャンスが薄れてしまいましたが、気持ちを切り替えて前向きに戦います。

No.20 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi
 ありがとうございました。1コーナーだけは前に出る、その一心で集中していました。スタートさえ決めれば抜かれない自信がありました。車は速く、チームに感謝しています。

URL http://www.impul.co.jp/
Twitter https://twitter.com/IMPUL_official
Facebook https://www.facebook.com/IMPUL.official