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吉田山田、“お祭り騒ぎ”の野音ワンマン笑顔で完遂「人生で一番幸せな気持ち」

2016年08月24日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『吉田山田祭り2016』日比谷野外大音楽堂(写真=岩崎 真子)

 吉田山田が、8月20日に『吉田山田祭り2016』を日比谷野外大音楽堂にて開催した。同グループは、吉田結威(Gt,Vo)と山田義孝(Vo)の男性2人からなるユニット。今年、2016年4月から『吉田山田47都道府県ツアー~二人また旅2016~』を行ない、同日同会場にて、本公演の前に開催したフリーライブをファイナル公演として、47都道府県ツアーを完遂した。


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 開演時刻が近づくにつれて、強まっていく雨脚。しかし、それを物ともせずに、山田の優しく爽やかな歌声で始まる「夏のペダル」からライブがスタートした。「今年一番の、忘れられない夏にしよう!最後までよろしく!」と観客に向かって明るく呼びかけ、バンドメンバーと共に「新しい世界」を披露し、会場を一気に盛り上げる。「とばしていくぞ、日比谷ー!」と、山田がステージを飛び回りながら、「全う」を歌唱。


 「よく来たね!みんな、雨で顔が裸になるから、心も裸になって楽しもう!」と山田が観客を沸かせると、「ごめん、やっぱ好きなんだ」。さらに、“祭り”に相応しい一曲「押し出せ」を披露。サビの<押し出せ 押し出せ ネガティブ押し出せ>では大合唱が起きた。続けて山田が「雨降ってるけど、まだまだいけますか?」と呼びかけ、爽やかな応援ソング「未来」を歌い上げた。


 そして、降りしきる雨の中、センターステージに移動すると、吉田のギターのみの演奏によるアコースティック編成に。「47都道府県ツアーで、大事に歌っていた曲です。いつまでも、僕らの声が残るように、歌のお守りを。あなたから、僕らにも」と、山田が楽曲への思いを語り、2000人のシンガロングと共に「魔法のような」を歌唱すると、先ほどまでの天候が嘘のように、雨が止んでいった。「ドラマみたいなこと、起こるんだなぁ。特別な夜になった。みんなも忘れられないよね」と笑いかけ、「野外って大好き。会えなくなった人に声が届きそうで」と、吉田山田の代表曲ともいえる「日々」を会場全体を包み込むような温かい声で歌唱した。雨が止み、耳に痛いほどの静けさの中で、柔らかな口笛が響き渡った。


 再びメインステージに戻ると、バイオリンとパフォーマーによるSEののちに、「泣いて泣いて」を歌唱。さらに、バンド編成でアップテンポな「てんてんてんて」。続けて、夜空をステージに映し出し、「ORION」を披露した。


 「みなさん、楽しんでますか?すげぇな、言葉がないわ。圧巻、ここからの眺めは。去年、初めて外でやって、楽しすぎて、来年もやります! って言ったら、去年より規模が大きくなって、夏の良い日にできて嬉しいし、言葉にして良かったな、と」と、山田が今回のライブへの喜びを語り、「良いことも、悪いことも、色んな事が起こるけど、これにもちゃんと意味があると思う。素晴らしい風景が待ってるから、あの苦しみはこのためにあったんだな。心から、出逢いに感謝します」と告げた後、「僕らのためのストーリー」、「天使と悪魔」をエモーショナルに歌い上げた。


 そして、山田の「こっから飛ばしてくぜ!」という掛け声をきっかけに、吉田山田らしい前向きな楽曲「YES」、「ガムシャランナー」を立て続けに披露した。


 続くMCでは吉田が、「47都道府県ツアーは初めてだったので、不安だったんですけど、1公演も気を抜かずに歌えました。(震災があった)熊本へも行けて、皆に感謝です。一生懸命歌ってきて良かった。人生で一番幸せな気持ちでここに立ててます。ありがとう! これからもよろしく!」と、ツアーとファンへの感謝の思いを語った。そして、吉田の力強い歌声から始まる「Today,Tonight」を披露した。


 最後には、デビュー7周年記念として、7ヶ月連続、7会場で『Over The Rainbowツアー』を開催することを発表し、観客を盛り上げた。「アレ、やってないよね。“夏祭り”ですから、最後にワッショイ言って終わりましょう」と、この日2度目となる「夏のペダル」を披露。観客全員で「ワッショイ」を大合唱し、まさに“お祭り騒ぎ”で公演を締めくくった。


 「人生で一番幸せな気持ちでここに立っている」という言葉通り、ライブ前半の雨にも負けず、笑顔で歌い続けた2人。このひたむきさが、多くのファンを魅了している一つの理由だろう。大きなツアーを終えたばかりの吉田山田だが、止まらずに走り続けるからこそ、「日々」のような子どもから大人まで広く長く愛されていくポップスを歌い、作り続けられるのかもしれない。次の『Over The Rainbowツアー』では、47都道府県ツアーを経て成長した姿で、さらにパワフルなライブを見せてくれることだろう。(村上夏菜)