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学校を休ませて「面会交流させろ」という元夫、子どもが嫌がっても応じるべき?

2016年08月24日 09:52  弁護士ドットコム

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子どもが嫌がっても、元夫と会わせなくてはいけませんか? 自分の都合ばかりを主張する元夫と、面会を嫌がる子どもとの間で板挟みなった女性(30代)から、弁護士ドットコムライフの体験談募集コーナーに投稿がありました。


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投稿した女性は、数カ月前に離婚したばかり。元夫への月2回以上の面会を条件に、4人の子どもの親権は女性が持つことになりました。


あるとき、元夫が面会を希望した日と子どもの学校行事が重なってしまい、女性は「その日は難しい」と伝えたそう。すると元夫は「土日に学校行事ないやろ! 約束守れんと言うことで、(調停の)申し立てするからな!」と怒り出してしまったそう。


一方的に自分の都合を押し付け、日程が合わなければ「申し立てやな!」と怒鳴る元夫。仕方なく、女性は子どもに学校を休ませて元夫と面会させたそうです。


女性は、子どもたちが、父親に会うことを嫌がっていることにも悩んでいます。ところが元夫は、嫌がられていることに気づかず、「夏休みになったら来させろ! 仕事休んで世話するから!」などと言い、自分の都合を押し付けてきます。


面会を望む元夫と嫌がる子供たちとの板挟みとなった女性は「精神的に病んでしまいました。平穏な環境で生活がしたいです」と相談しています。子どもが嫌がっている場合でも、約束した以上は、面会交流させなくてはいけないのでしょうか? 伊藤俊文弁護士に聞きました。


 ●「子の福祉」に反する場合は、面会交流を拒否・制限できる


離婚後に親権もしくは監護権を有しない親が、子どもと会うなどして交流することを、面会交流(面接交渉)といいます。


面会交流については、民法に以下の規定が定められています。


「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない」(民法766条1項)


この規定の通り、面会交流をするにあたっては、子どもの利益を最も優先しなければなりません。子どもが面会交流を嫌がっているのに実施することが、「子の福祉」に反する場合には、面会交流を拒否したり、制限できる場合もあります。


ただし、不当な面会交流の拒否は、損害賠償請求や親権者変更の理由となる場合がありますので注意が必要です。


子どもが面会交流を拒否する理由の裏には、親の影響が潜んでいる場合もあります。例えば、親権を持っている親が、もう一方の親と子どもが会うことを好ましく思っていない場合、子どもはその空気を感じ取り、「会いたい」と素直に言えなくなることがあります。


面会交流の拒否が、子どもの真意に基づくものなのか、それとも親の影響で拒否しているのかは、慎重な見極めが必要です。その上で、現状の面会交流の内容が子の福祉にとって好ましくないと考えられるのであれば、家庭裁判所に面会交流の内容の変更を求めて、調停・審判の申立てをすることも一つの方法ではないでしょうか。




【取材協力弁護士】
伊藤 俊文(いとう・としふみ)弁護士
大阪府出身。名古屋大学法学部卒。平成17年10月大阪弁護士会登録(58期)。平成17年10月~平成20年12月大阪市内の法律事務所にて勤務弁護士として従事、平成21年1月フェアリー・ウェル法律事務所にパートナー弁護士として合流。

事務所名:フェアリー・ウェル法律事務所
事務所URL:http://www.fairywell-law.jp/