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鈴鹿1000kmに向け脇阪寿一が語る。「1000kmを全力疾走しないといけない」

2016年08月23日 21:21  AUTOSPORT web

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鈴鹿1000kmに向け語る脇阪寿一監督
いよいよ8月27~28日、鈴鹿サーキットでスーパーGT第6戦・第45回インターナショナル鈴鹿1000kmを迎える。スーパーGTの2016年シーズンでも天王山と言える一戦だが、そのレースに向けて、LEXUS TEAM LeMans WAKO'Sの監督を務める脇阪寿一がオートスポーツweb編集部を訪れ、レースに向けて語った。

 今季から大嶋和也/アンドレア・カルダレッリが駆るWAKO'S 4CR RC Fの監督として新たなチャレンジを行っている寿一が、伝統の一戦である鈴鹿1000kmの魅力を語るべく、都内のネット媒体の編集部をまわった。Clicccarとオートスポーツwebの合同となった寿一への取材だが、当然飛んだのは第4戦スポーツランドSUGOでのWAKO'S 4CR RC Fのポールポジション獲得についての質問だ。

「僕がドライバーとして良かった頃の感覚では、ポールポジションというのは決勝に向けて嬉しいセレモニーだったんです。決勝に向けていちばん良い場所を得て、メディアの皆さんに取り上げてもらえるポジション。でも、それだけだったんです」と寿一監督。

「でも、いまのTeam LeMansは苦しい時期で、そんななかでチームに呼んでもらって、自分ができる限りを尽くして全員が同じ方向を向けるように改造をしていった。そのなかでトラブルも多く、メカニックが引きずったりすることもあった。その状況でのポールポジションだったので、メカニックやスタッフが努力したことに対する大きなご褒美だと思う。自分たちがやっていたことが間違っていなかったという証明になる」

 迎える鈴鹿1000kmについて寿一監督は、「昔の1000kmだったら、ドライバーよりもクルマが先に壊れていて、いたわりながら乗らなければならなかった。でも、今は技術の進歩でクルマが壊れない。壊れたらもう負け。それにスピードをゆるめることはできないし、1000kmを全力疾走しないといけないレースになっている」と語る。

「去年までは乗ってましたけど、ホント心の底から乗らなくて良かったと思う(笑)。鈴鹿8耐もそうだけど、大の大人が寄ってたかって全力で戦わないといけない。今は監督という立場で戦わなければならないけど、キャリアの終盤、クルマをうまく作るのはできたけど、速く走らせるのは苦手だった。その分を大嶋、カルダレッリがやってレースを作ってくれる」

 その大嶋もことあるごとに語るように、寿一監督は今季就任してから、チームスタッフ全員のメンタル面も考えたケアを行うようにしている。鈴鹿に向けては「チームの雰囲気も良くなっているので、監督としてチーム全員が力を発揮できるようなレースにしたいですね。チームの力量をいきなりとてつもなく伸ばすことはできない。いきなり120%を出させようとしても、それは失敗する」と、今後のシーズン終盤戦も見据え、無理矢理優勝を狙うというよりも、レースごとにしっかりと戦うことを選択する様子だ。

「タイトル争いにも絡んでいるけど、実力以上のことをしようとすると失敗する。いまの我々の状態では、一戦一戦を大切に戦わないといけない。ピット作業も5回はあるけど、みんながメンタル的に傷を負うようなミスを起こさせないようにするのが大切だと思う。そこは週末のみんなの空気を考えたりしながらかな。いずれにしても、どのチームにとってもひとつのミスが大きくなる厳しいレースだね」

 寿一自身も監督という立場を超えて「すごく楽しみ」だという鈴鹿1000km。前日もオートスポーツwebで触れたとおり、非常に多くの見どころがある。週末は鈴鹿で、その戦いを見届けよう。

チケット/イベント情報はこちら
http://www.suzukacircuit.jp/supergt_s/