音楽業界4団体がチケット高額転売取引問題の防止を求める共同声明を発表した。
声明の発表を主導したのは日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体。116組の国内アーティストと24の国内音楽イベントの賛同を得て発表された。
声明では国内で行なわれたコンサート公演数が、2006年の47632本に対して2015年は56042本と増えており、入場者数も2454万人から4486万人へと約1.8倍に増加していることを報告。反面、チケットの転売ビジネスが大規模なマーケットになっており、通常の数十倍という高価格での転売や、個人や組織による大量購入によってファンが正規価格で購入できない現状、さらに転売チケット購入者がライブ当日に入場できないといった被害が発生している点を指摘している。
また今後は、チケット転売問題と向き合い、従来のチケット販売システムや座席価格の一律問題などを見直していく必要があると表明している。
賛同している国内アーティストはMr.Children、スピッツ、Hi-STANDARD、Perfume、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPS、星野源、嵐、東方神起、YUKI、aiko、BABYMETAL、プロジェクトラブライブ!ら。賛同を表明しているイベントは、『FUJI ROCK FESTIVAL』『RISING SUN ROCK FESTIVAL』『ROCK IN JAPAN』など。
■門池三則(一般社団法人日本音楽制作者連盟理事長)のコメント
すべてのアーティスト、スタッフは、一人でも多くの音楽ファンに最高のパフォーマンスを届けるために、日々努力を重ね、活動しています。今日のチケット高額転売は、アーティストと音楽ファンとのこれまでの良好な関係を壊してしまう問題なのです。
■中井秀範(一般社団法人日本音楽事業者協会専務理事)のコメント
本来、定価で手に入るはずのチケットが、一部の悪質な転売業者によって高額なものになり、しかもそれは新しいコンテンツの創作のためには全く活かされないのです。そのような状況を深く憂慮するとともに、根絶に向けての努力を続けたいと思います。
■中西健夫(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会会長)のコメント
コンサート数・動員数共に年々増加の一途であり、それはライブ活動がアーティストとファンにとっての重要度の高まりを示しています。そんな中で、単に金銭利益だけが目的である一部の転売ヤーのために、アーティストとファンがどれだけ多くの犠牲を払っているかを少しでも知っていただきたいです。