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ピレリがテスト削減の傾向を懸念「参加しないチームは、ビッグ3に感謝すべき」

2016年08月22日 20:11  AUTOSPORT web

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8月からスタートした2017年タイヤテストを担当したフェラーリ
ピレリは来年度に使用するタイヤのテストに参加しない8チームに対して、メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームを批判するよりも感謝すべきと述べた。

 今月から数カ月にわたって行われるピレリ主催のテストで、来シーズン導入される幅広タイヤを試すことは「アドバンテージになるのではないか」と一部のチームから、テストに協力するビッグ3チームに対して懸念が出ている。

 ウイリアムズは来季のタイヤは現在の一部選択制を中止して統一されるべきであり、開発の初期段階から関与することになる3チームが優位になると主張している。

 これに対してピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、次のように答えた。

「これまで我々が行ったテストの参加者と話したが、何をテストしていたのか見当もつかないと言っていたよ」

「我々が行うテストは1台のクルマを使用するのだが、ジグソーパズルの小さなパーツが違う場所には入らないのと同じで、他のクルマでは微量な違いが生じる。だから(参加チームが)藁にもすがる思いで来季タイヤの完成イメージを理解してアドバンテージを得ようとしても、わずかな利点にしかならないだろう」

「これから数年間で我々は実車を使用し、すべてのチームがテストに参加できるようにしていきたい。しかし今年は来年度から導入される空力レギュレーションが問題となったんだ。もしタイヤの変更だけだったら、多くのチームがテストに参加できる環境をつくれたはずだ」

「テストに関していうと、我々はもちろんのこと(テストに参加できなかった)他のチームも、責任を負ってくれたトップチームに感謝しなければならない。もちろん我々はタイヤ開発のための投資を自分たちで行っているが、チームも同じく投資をしていく必要がある。だからテストに参加していないチームは、3つのビッグチームのサポートに感謝すべきなのだ」

 ドライバーのコメントを含むテストの情報は、テストに参加しないチームにも共有され、情報を手に入れることができる。

 ヘンベリーはテストに参加しない8チームに対し、いち早く新タイヤに関する情報を手に入れたいのであれば、来年度に温暖な気候のもとでプレシーズンテストを行うことだと語った。

「条件が整った場所でテストをすれば、すぐにタイヤを理解するための情報を入手できる。これで(開発テストへの参加で3チームが得られるであろう)わずかな利点を速やかに排除できる」

「早朝、地面に氷っているような時期にバルセロナへ行くことは、決して助けにならない。チームが合理的な場所と考えるのは、バーレーンやアブダビのような暖かいところだろう」

 多くのチームが遠隔地へ行く渡航費に頭を抱えている一方、ヘンベリーは物事を大局的に考える必要があると感じている。

「(プレシーズンテストは)経済的に豊かでないチームにとって負荷に過ぎないし、それに関する意見は理解できる。しかし最終的には、お金を持っているかいないかということよりも(F1チームとして)どこにお金を費やしたいかだと思う。テストの日程を減らし、そのための予算を削減し続けてきたことが問題なのではないか」