2019年から日本のスーパーGT500クラスとの規定共通化が目標とされるDTMドイツツーリングカー選手権。この『クラス1』新規定の2019年導入に向けて、DMSBドイツモータースポーツ協会と、DTMを主催するITR e.V、そして参戦する3メーカーの間で、参戦台数を削減する話し合いを進めている動きがあるという。
現在のDTMでは、クラス1規定に則ったアウディRS5 DTM、メルセデスベンツAMG C63 DTM、BMW M4 DTMという3車種が戦っており、それぞれ8台ずつ24台が参加している。しかし、高額な開発費用および参戦運営費用を少しでも抑えようと、2017年は各自動車メーカーが現在の8台から6台体制へと縮小する方向で話し合われているという。
ただ、18台のみで行われる選手権で果たして観客動員数を保持できるのかなど課題は多く、節減体制で行うDTMが十分にその魅力を発信できるのか、疑問視もされているのが現状だ。
全チーム、全ドライバーが100%ワークス資本で参戦するDTMでは、F1クラスのホスピタリティやファンコーナーの巨大な展示ブースも全レースに帯同しており、その費用は計り知れないほどに巨額だ。したがって各自動車メーカーの負担を少しでも減らす意味合いもあり、新レギュレーションへ向けての開発業務と並行して行われるレース活動で、全体制が縮小されての活動となりうる可能性がでてきた。
だがその一方で、ドイツ自動車メーカーを各6台体制にし、2019年の日本メーカーのDTM参戦を期待してキャパシティを空けて待っているとの見方もひょっとするとあるのかもしれない。
もしも正式に体制が縮小方向へと変更された場合には、必然的にドライバーのリストラも実施されることになりそうだ。すでに各メーカーの数名のドライバーがGT3活動も並行して行っており、カスタマーレーシングへの降格も考えられるだろう。また、DTMでは各メーカーのリザーブドライバーが常時帯同しているが、そちらへの降格も十分考えられる。
8月19~21日に開催されたモスクワ戦において、公営放送局で放送されたレース生中継中にもその話題が触れられており、残りのニュルブルクリンク、ハンガロリンク、最終戦のホッケンハイムの3ラウンドでも、来季のDTMについての議論が交わされることになりそう。その動向に注目したい。