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Honda MotoGP第11戦チェコGP レースレポート

2016年08月22日 17:01  AUTOSPORT web

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チェコGPを制したカル・クラッチロウ
2016.08.21 ロードレース世界選手権 第11戦 チェコGP 決勝

[MotoGP] 雨のレースでクラッチローが初優勝。
マルケスが3位になり、チャンピオンシップで前進する

2016年8月21日(日)・決勝
会場:オートモトドラム・ブルノ・サーキット
天候:晴れ
気温:17℃
コースコンディション:ウエット
観客:8万2066人(3日間:18万1705人)

MotoGP レポート
 オーストリアGPからの連戦となった第11戦チェコGPは、カル・クラッチロー(LCR Honda)が、念願のMotoGP初優勝を達成しました。前日の快晴から一転、雨のレースになり、前後にハードレインを選択したクラッチローが、雨量が少なくなった後半にペースを上げてライバルを圧倒しました。

 予選10番手からオープニングラップは15番手。序盤の5周は全くグリップしなかったというクラッチローは、ペースが上がらずポジションを落としました。しかし、4周目に14番手、5周目に13番手、7周目に12番手、8周目に9番手とポジションを上げていきました。さらに、ラインが乾き始めると、10周目に6番手、11周目に5番手、12周目にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)を抜いて4番手へ。そして、14周目にエクトル・バルベラ(ドゥカティ)とスコット・レディング(ドゥカティ)をかわして2番手に浮上すると、16周目にアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)をパスしてトップに浮上。それから後続を一気に引き離し、22周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。

 最高峰クラスへの挑戦開始から6年、バリー・シーンが1981年のスウェーデンGPで優勝して以来、35年ぶりに英国人選手が最高峰クラスで優勝しました。



 前後はソフトレインを選択、オープニングラップでトップに浮上したマルケスは、前半は、チャンピオンシップを戦うホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)のポジションを確認しながら、4番手から5番手を走行。中盤に入ると、ハードレインを選択した選手たちのペースが上がる中で、ソフトを選択したマルケスは、タイヤを温存するため我慢の走りに転じました。そして、終盤になると一気にペースアップ。ラスト3周で3番手に浮上すると、今季9度目の表彰台を獲得しました。

 マルケスは、今季5度目、通算63度目のポールポジション(PP)を獲得し、今大会の優勝候補の筆頭となっていました。しかし、レースウイークで初のウエットコンディションとなった決勝では、チャンピオンシップを最優先に考え、慎重な走りとなりました。その結果、今大会2位になり、総合2位に浮上したロッシに53点差、今大会17位でノーポイント、総合3位にダウンのロレンソに59点差をつけて、後半戦のスタートとなった2連戦を締めくくりました。

 予選20番手から決勝に挑んだティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、序盤はペースが上がらず20番手を走行しましたが、リアにハードレインを選択したことから、後半になってペースアップ。次第に順位を上げて、最終的に10位でフィニッシュしました。

 予選9番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ウエットコンディションでも苦戦。ペースが上がらず12位でフィニッシュしました。





MotoGP コメント
カル・クラッチロー(MotoGP 優勝)
「初優勝まで6年かかりました。とても長い時間でしたが、もう過去のことです。こうしたレースはすでに何回かあったし、優勝できると信じていました。そして優勝してみると、本当にすばらしく最高の気分でした。今日はグリッドでハードレインを選択することを決めました。しかし、最初の5周ほどは左側が温まらず、その左側を温めるために厳しい走りを要求されました。しかし、次第に路面が乾き始め、自分のタイヤ選択が正しかったことを知りました。昨日のフリー走行で転倒し、マシンを全損しているので、チームとHondaに謝らなければなりませんでした。そして、夜遅くまでスタッフが働いてくれたおかげで、こうして優勝できたし、彼らに感謝しなければいけません。これからも、こういうレースが来る日を願っています」

マルク・マルケス(MotoGP 3位)
「なによりも大事なチャンピオンシップを考えれば、3位になれたし、総合首位の座をキープでき、とてもハッピーです。バレンティーノ(ロッシ)には4ポイント縮められましたが、ホルヘ(ロレンソ)はノーポイントでした。今大会は、ドライ、ウエットともにいい走りができました。それもうれしいことです。今年は、ここまで一生懸命働いてきたし、確実に前進してきました。とてもいいシーズンとなっています。今日のベストなタイヤ選択は前後ハードレインでした。しかし、路面がもっとすぐに乾くと思っていたし、きっとフラッグ・トゥ・フラッグになると思っていました。しかし、なかなか路面が乾かず、10ラップを終えたときに、タイヤをセーブする作戦に切り替えました。カルとバレンティーノは自分よりもペースが速かったし、ほかの選手との戦いに集中し、終盤にペースを上げて、表彰台に立てました」

ティト・ラバト(MotoGP 10位)
「今週はドライコンディションでとても苦戦しました。それを思えば、今日の10位はとてもすばらしいものです。序盤は不安定なコンディションで、前のグループについていけませんでした。厳しい走りを要求されましたが、状況をしっかり見極めようと集中しました。そのうちコースが乾き始め、自分が選択したタイヤが機能し始めました。ラスト2周で10位に上がり、チェッカーを受けました。ドライコンディションでは、ほかのライダーと同じように走ろうと、かなり無理をしています。明日は、RC213Vを理解するためのテストに取り組みたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 12位)
「残念な一日でした。ウエットコンディションのレースになりましたが、いつものようなレインコンディションのフィーリングにはなりませんでした。第8戦オランダGPのあと、フロントのレインが変わり、とても苦労しました。今日の最大の問題は、ブレーキングのときにホイールがロックすることでした。そのため、フロントブレーキをうまく使えず、エンジンブレーキを多用しなければなりませんでした。今日のペースは明らかに遅く、チャンスはありませんでした。しかし、引き続き全力で、ドライとウエットの改善に努めます」