10月9日に香港で開幕戦を迎えるフル・エレクトリック・シングルシーター選手権のフォーミュラE。シーズン3開幕に先立ち、イギリス・ドニントンで8月23日から3日間の日程でテストが予定されている。
このテストで初めて公式セッションに参加する新参入のジャガー・フォーミュラEチームは、4名のドライバー候補を走らせる予定だ。
英国オートスポーツによると、その候補者はGP2でタイトル争いを展開するアレックス・リンとミッチ・エバンス、そして2008/09年のA1グランプリ王者であるアダム・キャロル、そしてWEC世界スポーツカー耐久選手権で、ワークスのフォードGTをドライブするハリー・ティンクネルの4名だという。
各ドライバーがどの曜日を担当するかは明らかにされていないものの、このテスト結果を踏まえつつ、最終的なドライバーラインアップは9月5~7日に行われる3日間の最終公式テスト前には確定となる模様だ。
モータースポーツのワークス活動に復帰するジャガー・ワークスの新たなドライバー、そしてチームの公式発表が、次回プレシーズン・テスト最終日の翌日となる9月8日に予定されている。
2004年にF1から撤退して以降、12年ぶりのワークス活動となるジャガー。競争力を高めた状態でのフォーミュラE参入を図るべく、ドライバー候補者の選定には、かなりの時間を割いてきたという。
アダム・キャロルは昨年夏にマヒンドラのマシンをテストし、チーム・アグリでもアントニオ・フェリックス・ダ・コスタの代役としてイベント参戦した経験を持っており、先日のジャガー単独テストの際にもステアリングを握っている。
また、ニュージーランド出身のミッチ・エバンスは、元F1ドライバーで現WECのポルシェ・ワークスに所属するオーストラリア人、マーク・ウェーバーの門下生として、同じオセアニア出身の先輩がドライブするポルシェのLMP1マシンをテストした経験を持つ。
ウイリアムズF1の開発ドライバーでもあるアレックス・リンは、ジャガーFEチームがウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングとの提携によってマシン開発を行っている経緯もあり、有力なドライバー候補の筆頭と見なされている。彼はGP2で3年目のシーズンを過ごすための契約を行わず「100%のプライオリティ」として、来季のウイリアムズF1レギュラーシート昇格を狙ってもいる。
ハリー・ティンクネルは、その他の競合と比べると4人中で最も"大穴"的存在ではあるが、2013年のユーロF1チャンピオンでもあり、2014年にはル・マン24時間のLMP2クラスを制覇。その際のチームメイトは、フォーミュラE選手権でNextEV TCRのドライバーを務め、日本ではGT500のドラゴ・モデューロNSXをドライブするオリバー・ターベイであった。また、LMP2での経験だけでなく、フォード加入前は1年だけ参戦を果たしたニッサンのLMP1マシンのワークスドライバーも務めている。
今回の公式テストに参戦する10チームでは、ジャガー以外にマヒンドラとNextEVが、いまだ2016/17のドライバーラインナップを発表していない。
直近の予測では、ニック・ハイドフェルドはマヒンドラに残留、初代FE王者のネルソン・ピケJr.はオリバー・ターベイとともにNextEV残留の可能性が高いと見られている。
<2016/17 FE 予想ラインナップ>
Renault e.dams: セバスチャン・ブエミ/ニコラ・プロスト
Audi Sport Team Abt: ルーカス・ディ・グラッシ/ダニエル・アプト
DS Virgin Racing: サム・バード/ホセ-マリア・ロペス
Dragon Racing: ジェローム・ダンブロシオ/ロイック・デュバル
Mahindra: TBC
Venturi: ステファン・サラザン/マーロ・エンゲル
Andretti: ロビン・フラインス/アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
Techeetah: ジャン-エリック・ベルニュ/馬清華(マ・キンファ)
NextEV: TBC
Jaguar: TBC