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SFもてぎ:“ルーキー”関口が盤石の走りで初優勝。ピット作業では数チームにアクシデント

2016年08月21日 17:41  AUTOSPORT web

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レース後、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)から祝福を受ける関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦もてぎは、ポールポジションからスタートした関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が終始リードを保ち、参戦4戦目にして自身初優勝を飾った。

 スターティンググリッドに並んだ全19台のなかで、グリッド中団に並ぶジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、塚越広大(REAL RACING)、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)、小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)、ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)の6台がミディアムタイヤを選択。残る16台は今大会のみに投入されているソフトタイヤを選択して、レースがスタートした。

 ホールショットを決めた関口に対し、フロントロウにつけていた石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は失速、その横をアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がかわしていく。

 オープニングラップを終えた段階でのトップ3は関口、ロッテラー、野尻、石浦となる。また8番手からスタートした山本尚貴(TEAM 無限)はスタート直後の1コーナーでコースオフ。最後尾付近まで後退してしまう。

 関口とロッテラーの2台がハイペースで逃げる後ろで、野尻以降は接近した状態となる。しかし5周目、3番手を走っていた野尻が突然スロー走行。トラブルか、そのままピットへ戻るとガレージにマシンを収めてしまった。

 メカニックたちは懸命に修理を試み、また野尻もコクピットから降りずに待機していたが、コースへ復帰することは叶わず、リタイアとなった。

 この直後には、オリベイラが90度コーナー付近でトラブルからか、突如ペースダウンすると、そのままピットイン。チームはステアリング交換などを試みるが、トラブルを解消できずにリタイア。オリベイラはマシンを降りるとグローブを地面に叩きつけ、怒りを露わにしながらガレージ奥へと向かっていった。

 12周目を過ぎたあたりから、ルーティンのピット作業を行うチームが現れはじめるが、ピット作業でトラブルが多発した。

 先陣を切ってピットインしたナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)は左フロントタイヤがうまく外れず50秒以上のピット作業となり、大きく後退してしまう。その翌周にピットへ向かった塚越広大(REAL RACING)もタイヤ交換に時間を要してしまう。
 
 また、14周目にはピットインしたベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)は、給油ホースを引き抜く際、給油リグの先端部が外れてしまうアクシデントが発生。バゲットは先端部をつけたままコースへ復帰してしまい、翌周にふたたびピットイン。こちらも大きく順位を落としてしまった。

 トップ3の争いは野尻が戦列を離れたことで、4番手に後退していた石浦がペースアップ。自己ベストタイムを更新しながら、前を走るロッテラーとの差を大きく削り始める。16周目にはその差が1秒を切るが、もてぎはオーバーテイクが難しいサーキットということもあり、こう着状態が続く。

 後方の2台がバトルを展開していることもあり、首位の関口と2番手ロッテラーとの差は、23周目には10秒まで拡大する。1分37秒台~38秒前半のタイムをキープして周回を重ねる関口は、34周を終えてピットイン。チームも素早い作業でミディアムタイヤに交換、5番手でコースへと復帰した。

 前を走る4台がタイヤ交換のためにピットへと入った38周目に、関口は再びトップへ。残り14周は2番手につけるロッテラーとの差を7秒前後にコントロールしながら走りきると、ファイナルラップの90度コーナーではコースサイドのファンに手を振る余裕もみせてチェッカー。国内トップフォーミュラ参戦から、わずか4戦目にして初優勝を飾った。

 ロッテラーと石浦による2位争いは、36周目にロッテラーが、37周目に石浦がそれぞれピット作業を済ませた後も白熱。いったんは4秒以上に広がった差が、終盤には再び1秒を切る戦いとなる。

 しかし、最後まで石浦の猛攻をしのぎ切ったロッテラーが2位で今季初表彰台を獲得。3位の石浦は第2戦岡山での優勝以来、今季2度目の表彰台獲得となった。4位に国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、5位にジェームス・ロシター(KONDO RACING)とトヨタエンジン勢が続き、ホンダエンジン勢最上位はストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の6位となっている。