ドイツの有名自動車誌『アウト・モーター・ウント・シュポルト』は、BMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトへのインタビューを掲載したが、このなかでマルカルトは「2019年から新型GTマシンで世界への挑戦を目的としている」と明言し、ル・マン24時間に復帰することを認めたと報じた。
『アウト・モーター・ウント・シュポルト』によれば、dpa(ドイツ・プレス・エージェンシー)が7月22日に開催されたDTMザントフールト戦において、BMWチーフ開発オフィサーを務めるクラウス・フレーリッヒへのインタビューを実施。そのなかで、フレーリッヒからBMWがWEC世界耐久選手権とル・マン24時間にカムバックする内容の発言があった。アウト・モーター・ウント・シュポルトは、それを受けてマルカルト代表へインタビューを試みたという。
ドイツのモータースポーツ界では2年ほど前から「BMWがル・マンに復帰するのではないか?」というウワサが何度も流れていた。しかし、そのたびにマルカルトは「いまのBMWはDTMの活動に集中する」と答えていた。しかし、チーム開発オフィサーからの発言もあり、本人の口からも語られたようだ。
ル・マンへの復帰の一方で気になるのはDTMでの活動だが、「DTMからBMWが撤退することは絶対にない」とマルカルトは強調しており、同じくDTMに参戦しているアウディやメルセデスと同様に、DTMと他カテゴリを並行してワークス活動を行うようだ。
かつてル・マンに挑戦していたM3 GT2はシュニッツァーがワークス活動を担当していたが、2019年のル・マン再デビューではどんな参戦体制になるのかも大いに気になるところだ。また、現在は北米IMSAへM6で参戦中のGTEモデルの後継モデルがル・マン用のGTE車両となるのかも気になるところ。
ドライバー面では、1973年から開始されたBMWジュニア育成プログラムにおいて、近年はふたたびGTプログラムでの若手育成が強化されている。ワークスサポートを行うニュルブルクリンクとスパの両24時間レースでも、特に今季は新進気鋭の若手ドライバーが積極的に採用されており、徐々に世代交代の兆しをみせている。これも2019年からのル・マンプロジェクトへ向けての準備の一環なのかもしれない。
また、アウト・モーター・ウント・シュポルトは、この活動が2021年のLMP1に向けた活動になる可能性も指摘している。