二輪ロードレースの最高峰MotoGPの裏話を語る『MotoGP覆面座談会』の第2回目を開催。今回も第1回に出席したMotoGP関係者の3名。発言者の身元を明かさないとした上で、前半戦の振り返りや舞台裏、後半戦の展望などを内容濃い目で語った。
A氏:自身もサーキットで走るという二輪界のパイオニア
B氏:ひげがトレードマークのラテン系ジャーナリスト
C氏:恐れ知らずでズバッと切り込むベテラン編集員
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--さて、MotoGPも前半戦が終わり、もうすぐ後半戦が始まりますが、みなさん前半戦はどのように見ましたか?
C氏:色んなことがありすぎて前半戦としてくくれないよね。
A氏:たしかに面白すぎますよね。
B氏:今年はマルク・マルケスがライダーとして変わりましたよね。クレバーになったというか。去年のマルケスだったら絶対トップを追いかけていたようなレースであっても、2位でいい、3位でいいというレースができるようになりましたし。オランダGPでジャック・ミラーに首位を譲り、2位でフィニッシュしたときの喜びがいい例です。それがランキングトップを維持している要因だと思いますよ。
C氏:まあ去年は勝ちを目指して失敗していたからね。
--一方、去年のチャンピオンであるホルへ・ロレンソの調子が落ちていましたが。
B氏:ロレンソは前半戦の途中までは良かったんですけど、どうしたんでしょうね。メンタルなのか、それともよほどマシンがひどいのか。原因はわからないですが、ひどすぎでしたね。
A氏:これは本当に推測でしかないんだけど、ミシュランがタイヤで操作しているんじゃないかという噂がヨーロッパのプレスルームではささやかれてるんですよ。このレースは誰が上位にいたほうが盛り上がるとか、(バレンティーノ・)ロッシが勝ったら盛り上がるからロレンソを落としておいた方がいいとか。MotoGPはビジネスなので、来年の放映権を高くするため、観客動員を増やすためには、こういうストーリーがいいよねという。それによってドルナとミシュランが一番儲かりますからね。例えばアロケーションのときにタイヤが積まれるじゃないですか。その時に、ロッシ用、ホルヘ用ってFIMと主催サーキットの車検担当がシール貼っているそうなんですよ。
C氏:ブリヂストンのときはできなかったけど、ミシュランならできるかもしれないな。ミシュランは昔、Aグレード、Bグレード、Cグレードというタイヤを供給していたんだよ。元GPライダーの八代俊二が走っていたころ、たまたまミック(・ドゥーハン)が出ないときにミックのタイヤを使ったら、いつもより1ステップ上の集団で走ることができたというのを聞いたことがあるよ。
B氏:タイヤのグレードの話はここ10年くらい聞かなくなりましたが、昔は普通だったらしいんですよ。
C氏:今はマルケスがポイントリーダーだけど、もし今年、ロッシがチャンピオンを獲ったらどれだけMotoGPが盛り上がるか。ホンダ以外はハッピーになると思うよ。
B氏:そういえば、ルイス・サロムの亡くなったレースでロッシとマルケスが握手したじゃないですか。あれを見てロッシってすごいなと思いました。2011年のスペインGPでロッシが転倒してケーシー・ストーナーを巻き込んでしまったとき、ロッシはピットまで行ってストーナーに謝っていたんですよ。そのとき表情を見せないようにヘルメットを被ったままだった。今回もヘルメット被ったままでしたよね。とりあえず謝ったという形だけ残すのがロッシらしいですよね。今回の握手もロッシのパフォーマンスじゃないのかとホンダのある人が言っていましたよ。
C氏:あれは本気で握手してないと思うよ。スペインのGPでスペイン人が亡くなって、今までのように知らん顔はできない。みんなロッシにはめられているんだよ。
B氏:ドイツGPではロッシに表彰台に上がってほしかったですね。表彰台でどういう対応をするか見てみたかった。
A氏:ロッシは何十年に1度出てくるか来ないかのライダーなんですよね。ケニー・ロバーツの与えた影響は大きかったのですが、期間としては短かった。マルケスはロッシになろうとしていますが、あのスター性は今のところマルケスにはないですね。
C氏:今のMotoGPは、アメリカのプロレスのようにドラマ仕立てになってきているよね。スタートしてチェッカーまでの間だけじゃなくて、表彰式やパルクフェルメでのやりとり、ライダーの表情までもストーリーになっている。
B氏:レースが始まればライダーたちは真剣に走るから、手抜いたりはしないです。ある程度ストーリー、ドラマをコントロールしているとしたら、今のところそれができるのはタイヤしかないです。あるいはルールやレギュレーションとか。ただ、あんまりあざとくやってしまうとおかしいと言われてしまうので、あからさまにはやりませんが。
■今年のホンダについて
■来季のウイングレット禁止について
■後半戦の展望
こちらはモータースポーツチャンネル限定の記事になります。続きは