BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でチーム・ダイナミクスのエースを務めるマット・ニールが、8月21日にオランダ・ゾルダーで開催されるTCRベネルクス選手権にゲスト参戦することになった。
現在、TCRはメインとなるインターナショナルシリーズを筆頭に、WTCCホンダ・ワークスのノルベルト・ミケリスもゲスト参戦したヨーロッパ選手権、そしてベネルクスやアジアの地域選手権のほか、ドイツ、ポルトガル、スペイン、ロシア、そしてタイなどでも国内選手権が開催されている。さらに最近では12時間、24時間などの耐久に特化したTCES(ツーリングカー・エンデュランス・シリーズ)や、24時間シリーズなども始まっている。
今回ニールがドライブするのは、そのベネルクス選手権でホンダ・シビックTCRを走らせるブーツェン・ジニヨンのチームで、24時間レースのサポートとなる3レースにエントリーする。
BTCCで三度のタイトル獲得経験を持ち、今季もポイントランキングで2位につけるニールは、今回ホンダの招待により初めてTCR規定マシンのドライブが実現した。今季開幕戦のスパ・フランコルシャンでは、同様の形でWTCCワークスドライバーのティアゴ・モンテイロも参戦している。
元F1ドライバーのティエリー・ブーツェンが共同運営に参画するブーツェン・ジニヨンのチームは、現在TCRベネルクスでポイントリーダーの位置につけており、名手のドライブによる後押しを得たい格好だ。
ゾルダーでは、Facebookからの一般投票で決まったグリッドで予選レースを行い、その後ドライバー1名ずつのソロレースが2戦行われるスケジュールとなっている。
今回ニールがシェアするのは、ドライバーズ選手権で首位に立つステファン・ラムレのマシンとなる。
「何が待ち受けているかはまったく予想がつかないけれど、招待されてうれしいよ」と、ニール。
「僕はこのシリーズのレースを見たことがあるし、彼らがコンペティティブなことも分かっている。でも、予選レースで初めてマシンを走らせることができるし、それは本当に興味深い体験になると思うよ」
「以前にゾルダーでレースをした経験はあるけれど、それはヨーロピアン・ツーリングカー選手権に参戦していた15年も前の話になる。とにかく、この週末は楽しいものになりそうだね」
同じシビック・タイプRの2リッター直噴ターボを使用しながらも、共通サブフレームが義務付けられるなど、独自のレギュレーションを採用するNGTC規定のBTCCマシンをドライブするニールが、生産車の素性を活かしつつ、性能調整でイコールコンディション化を図っているTCR規定のマシンをどう乗りこなすかにも注目だ。