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SMAP 稲垣吾郎のラジオ番組で実感した、“解散”の事実と“SMAP”を失うということ

2016年08月19日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 8月18日放送の『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』(文化放送)にて、稲垣吾郎がSMAP解散についてコメントするとの発表があり、この日の放送に大きな注目が集まった。実際の放送で稲垣は、「こんばんは、稲垣吾郎です。すでに報道で皆さんご存知だと思いますが、SMAPは解散という形をとることになりました。ファンの皆さんには突然のお知らせになってしまい、申し訳ありません。私稲垣吾郎は、これからも頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします」と挨拶。重ねて同番組の応援を呼びかけるコメントを残した。


(関連:SMAP解散報道、マスメディアと世論の差はなぜ生じた? 中森明夫氏に聞く


 この放送を聞いていたという、ジャニーズの動向に詳しい芸能ライター・佐藤結衣氏に率直な感想を聞いた。


「稲垣さんのコメントに関しては、そう言うしかないだろうなという印象。連名でコメントを発表した手前、個人の思いを語るのは難しい。いち社会人が仕事の担当を外れるときに各所へ報告するのと同じようなものだと感じました。個人的な感情が語られるのはまた別の機会かなと。ただ、ご本人の肉声で『解散』という言葉を聞いて実感がわいたというか……突きつけられるものはありました。今後各メンバーのラジオ出演が続くので、それぞれでコメントがあるのかと思うと、やはり素直にショックですね」


 その後の番組では、稲垣が出演した映画『少女』の話題や、番組に投稿されたSMAPのメンバーの近況をネタに稲垣が淡々とトークを展開。ふだんどおりの稲垣の語り口調を聞くうちに、先ほどのショックとは違った思いを抱いたと佐藤氏は続ける。


「ジャニーズメンバーが担当するラジオ番組は多くありますが、どこかファンむけというか、クローズなコミュニティになっている面もありました。残念なきっかけではありますが、今回の放送を聴いて『ジャニーズラジオの楽しさ』に改めて気づいた人も少なくないのでは。SMAPのメンバーや、V6、TOKIO、KinKi Kids、嵐、Kis-My-Ft2、はたまた近藤真彦さんなどの名前を挙げながら、気さくに話す稲垣さんのトークは意外でした。どんなに些細な話題でも、解散後も変わらずにこういったエピソードが聞ける場としてラジオ番組を続けてほしいですね」


 番組中には「ススメ!」(『SMAP 016 / MIJ』収録)、「夏楽園」(『SAMPLE BANG!』収録)、「BANG!BANG!バカンス」(同名シングル収録)といった計3曲のSMAP楽曲がオンエアされた。


「どの時代の曲を聴いてもやはりいい。しかし、いまはどの曲を聴いても切なさを助長します。『BANG!BANG!バカンス』のようなメンバー紹介のある曲は特にもう聴けなくなるのかと考えると辛いですね。解散後にソロのラジオが続いたとしても、SMAPの曲が流れることはなくなってしまうのかなとも考えてしまいました。解散でいちばん辛いのは、当たり前にあったSMAPという存在、名前にふれることがなくなってしまうことなんだということを改めて実感しました」


 SMAPはいつも私たちにきっかけを与える存在だった。こんな時ですらもまた、私たちにラジオを聴くというきっかけを与えてくれたように感じてしまう。彼らのあまりにも大きな決断が、状況を好転させるためのきっかけだったのならば、私たちもその結果をきっかけとして新たな価値を見出していくしかないのかもしれない。(竹上尋子)