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「非力なマシンのおかげで上達した」サインツがレースの苦労を振り返る

2016年08月18日 14:01  AUTOSPORT web

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次期レッドブル昇格候補のサインツ。トップチームには目立ったリザルトが必要だ。
トロロッソのカルロス・サインツJrは、パワー不足のクルマでF1を走ってきた経験が自分を強くしたという。

 昨シーズンのトロロッソは、パワー不足と信頼性が低いルノーのパワーユニットに悩まされていたが、今シーズンからフェラーリに変更した。しかしこのパワーユニットは2015年型のものであり、契約は一年限りとなっている。

 メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダと今シーズンにかけてパワーユニットの改善を見せたが、その中でも2015年型のフェラーリパワーユニットは序列でいうと下から数えた方が早い。

「僕は2シーズンをグリッド上で最もトップスピードが出ないパワーユニットで走ってきたんだ。この経験は僕を強くしたと言えるよ」

「F1初年度の昨シーズン序盤と比べると、見違えるほど成長したと思う。レースの中で起こる多くの物事を、自分で管理する術を学んだ。これは僕が残した結果見てもらえばわかると思う。この状況が僕を成長させ、安定してフィニッシュできるドライバーにさせたんだ」

 トロロッソのもう一人のドライバーであるダニール・クビアトはここ8戦で2ポイントの獲得で終わったが、サインツは同期間で6ポイントを獲得している。


 サインツは自身のチームのマシンがパワー不足であるが故、トラック上でミスが許されないことを理解している。チャンスを掴むためには、ストレートで踏み込むことができないこともある。

「わずかなミスも許されないし、オーバーテイクのチャンスがあるならそれを確実にモノしなければならない。とにかく、レース巧者じゃなくちゃいけないんだ」

「レース中に一度しか訪れないであろう、ルノーをオーバーテイクするチャンスがあるとする。ブレーキを踏もうとするも、その時に履いてるのはユーズドタイヤ。たとえグリップが足りなくてトップスピードが出ない状況でも、レースで戦わなくてはならない」

「このような状況でレースをしてきたおかげで、僕はより成長し、より熟練され、先に進むことができたんだ」

 トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、サインツが自信と経験を兼ね備えたことを理解しており、今後のレースでは、サインツはインパクトを残せると語っている。

「サインツにはフリー走行でいろいろ試しながら走ってもらっている。もちろん、全部好き勝手にやらせている訳ではないけどね。フリー走行は、とにかく彼にとってはいい機会になっている。その後の予選と決勝のために、彼は何をすればいいかわかっている。彼の安定感が高まっていくのを見てきた。結果としてそれはパフォーマンスとして出ている」