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マッテオ・ガローネ、17世紀のおとぎ話を映像化 『五日物語』、女の欲望が収められた予告公開へ

2016年08月18日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

 マッテオ・ガローネ監督作『五日物語-3つの王国と3人の女』の予告映像が公開された。


参考:動画はこちら


 本作は、『ゴモラ』、『リアリティー』で、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを2度受賞した鬼才マッテオ・ガロ-ネが、おとぎ話“ペンタメローネ(五日物語)”を映像化した作品。3つの王国が君臨する世界を舞台に、それぞれの国の女王たちが辿る皮肉な運命と欲望を描き出す。


 公開された日本版予告映像には、3人の異なる年代の女たちの欲望と、その残酷な運命を予感させる不穏な内容が収められている。さらには、世界遺産に登録されたアンドリアのデルモンテ城ほか3つの名城や、シチリアのアルカンタラ峡谷など、イタリアを縦断したロケーションと原作の書かれた時代を彷彿させるバロック様式の映像が展開されていく。


■マッテオ・ガローネ監督コメント


私は一貫して、人間の衝突、バイオレンス、愛、いわゆる人間が固執していることに興味がある。どうやって個人が外的要素によって悪に汚染されるかを見るためにいつも内側から見ているんだ。だからこの映画の、欲望から変貌する執念や自己破壊的な結果などが、私の映画でよく繰り返されるテーマだ。原作の物語にもダークなところがあった。なぜなら中世の大衆の民話が基になっているからね。


もし17世紀には子供のために考えられた特別な文学がないとしたら…。これらの話は大人も子供もすべての人々を楽しませるために書かれた話なんだ。だからダークな要素やホラー、そして暴力の要素を含んでいる。今日の私たちの社会のように、その当時は社会が暴力的だったから、彼らは私たちに似てるんだ。それらをおとぎ話の世界において描くなら、人間の経験にとても近い、象徴的で現代的なものになるんだよ。(リアルサウンド編集部)