この7月から『オーストラリアン・スーパーカー・シリーズ』となった"元V8スーパーカー"シリーズにおいて、ホールデンは新たに新興トリプル8とのジョイントを発表。これにより、26年に渡りホールデンのワークス待遇として密接な関係を築いてきたウォーキンショー・レーシングが、来季2017年終了を持ってその地位を失うこととなった。
この新たなパートナシップの発表により、マニュファクチャラーエントリーのチーム名称は『レッドブル・ホールデン・レーシングチーム(予定)』となり、ウォーキンショーが長年保持していたホールデン・レーシングチーム(HRT)の名称権はトリプル8に移管されることとなる。
HRTは1990年の選手権デビュー以降、ここまで177勝を挙げ、6度のドライバーズタイトルを獲得。しかしその最後は、2002年のマーク・スカイフにまで遡る必要があった。ただし、この提携解消後も、ウォーキンショー・レーシングはホールデンからテクニカルとマーケティングの両面で継続したサポートを受けることとなっている。
一方、新たにワークス待遇を手にするトリプル8は、2003年に初めてシリーズに参入。当初はフォード陣営の一員としてファルコンを走らせていたが、2010年にホールデンにスイッチ。その間に、7度のコンストラクターズタイトル、6度のドライバータイトルを獲得。近年ではジェイミー・ウィンカップが2014年に王者となっている。
ここ数年の噂では、フォードが選手権からの撤退を考えているとの憶測が絶えない中、今回のアナウンスにより、ホールデンとしての継続的な関与が確認されたことになる。
「モータースポーツは、ホールデンの遺産で重要な役割を果たしてきましたし、我々は新しいレッドブル・ホールデンレーシングチームとその伝統を継承できることを誇りに思っている」と、ホールデン会長兼マネージングディレクターのマーク・ベルンハルト。
「トリプル8は、この新しい世代で最も成功したチームで、彼らはシンプルに最高の仕事をしていると言える」
近年では、トリプル8の他にウォーキンショー・レーシング、ブラッド・ジョーンズ・レーシングがコモドアのプリペアを担当しており、テンコ、チーム18、ルーカス・ダブレル・モータースポーツにマシンを供給していた。しかし、V6および4気筒のエンジンを許容するGen2規則を採用する2018年からは、契約の一環としてすべてのホールデン・コモドアをトリプル8が製造することとなる。
「我々は長年に渡って輝かしい歴史を共有するウォーキンショー・レーシングに、感謝と敬意を払いたい。今後もピットレーンのすべてのホールデンチームに様々な手法でのサポートを惜しまない。マーケティング支援、テクニカルサポート、スポンサー獲得、そしてレースにおけるチームカラーリングなどのデザインでもね」
「ウォーキンショーと私たちの関係は強いままで、将来のロードカー部門におけるHSV(ホールデンの高性能版/ホールデン・スペシャル・ビークルズ)の開発では密接な距離で仕事を続けていくことになる」と付け加えたベルンハルト。
ウォーキンショー・レーシングは、最後の1年となる2017年に向けて2台のコモドアを走らせることを決めているが、ドライバーのジェームス・コートニーとガース・テンダーの契約は、今季末で終了することとなっている。