ポルシェとアウディの両ワークスは、来季のル・マン24時間に向けて、再び3台体制でマシンを走らせるプランを"除外する"としている。
親会社であるフォルクスワーゲンの"ディーゼル・ゲート"事件の余波を受ける形で、コスト削減の動きの一環として、今季のル・マン24時間でもLMP1-Hで2台体制を敷いたポルシェとアウディ。来季、2017年のWEC世界スポーツカー耐久選手権に向けても、同じく勝利の栄誉を獲得すべく、同選手権プログラム継続の可能性を高めるよう2台体制を堅持することを決めている。
アウディスポーツの代表であるウォルフガング・ウルリッヒ博士は、次のように説明した。
「3台体制は我々のプランにはない。我々は2台体制に最適化したチームの構築に向け、組織を再編成している。持てるリソースを効率的に使うために、3台から2台に再構築するのだから、それを元に戻すことはないだろう」
ポルシェ・ワークスのチームプリンシパルを務めるアンドレアス・ザイドルも、2015年のような3台体制への復帰は「議論する話題ではない」と語る。
「我々は効率的に予算を使う必要がある。2台から3台に増やすことは、作業負荷が大きくなるということも理解しなければならない」
一方、2012年にスポーツカー・レーシングの最高峰に復帰して以降、まだ追加エントリーの枠を使用していないトヨタは、来季に向けてサードカーの可能性を残している。
「我々はまだ意思決定の段階には到達していない」と語るのは、トヨタ・モータースポーツGmbHのテクニカルディレクター、パスカル・バセロン。
トヨタは先のル・マン24時間で、残り5分のところで勝利を逃している。
「我々が今年のル・マンで3台体制を敷いていたなら、おそらく、ル・マンでの勝利を獲得することができただろうね」
ただし、これまでのトヨタの哲学では、LMP1のコンテンダーたちが不要なリソースを割いてまで追加のマシンを走らせることに抵抗していた。