2017年F1テクニカルレギュレーションの変更により、ドライバーに求められる能力が変わり、それが有利に働く場合と不利に働く場合があるという予想がなされている。
来季は今より5秒速いマシンを実現すべく規則が変更され、ワイドなウイングとタイヤが導入される。こういったマシンの変更に伴い、ドライバーは今とは異なる走りをしなければならないと、現在Sky SportsでF1解説者を務めるアンソニー・デイビッドソンは考えている。
「今、優れたパフォーマンスを見せているドライバーと、そうでもないドライバーのそれぞれの状況が変わることになると思う。(来年のマシンは)ドライバーにとって今年とは全く別物になり、今とは異なる資質が必要となるだろう」
メカニカルグリップ向上に伴い、今よりも力を発揮するドライバーもあり、その逆のケースもあり得ると、デイビッドソンは言う。
「たとえばセルジオ・ペレスを例に挙げて考えてみよう。彼はマシンがスライドする状態でタイヤをうまくマネージするのが得意だ。滑りやすいコンディションでのロングスティントでタイヤをいい状態に保つことに長けているのだ」
「だが来年はそういったアドバンテージが完全になくなるかもしれない」
「レースの最初から最後まで、必要なだけタイヤに頼ることができるだろう。タイヤの摩耗やマシンのスライドについて気に掛ける必要がなくなるのだ。グリップよりもパワーのことを考えなければならないだろう。それによってすべてのことが覆される可能性がある」
「次に、セバスチャン・ベッテルを例に挙げよう。2011年に彼は大きく成長した。ベッテルはコーナーのエイペックスに達する前から加速していくような走りをする。来年はより幅広いタイヤを装着し、ダウンフォースが増し、グリップが向上する。彼のようなドライバーは、今の状況よりもさらにタイムを見つけやすくなるかもしれない」