サービス業従事者にとって、大変なのがお客からのクレームだ。一口にクレームといっても、キチンと説明し、謝罪をすれば丸く収まるクレームもあれば、正直言いがかりのようなクレームもある。
このクレームについて、「世代間のギャップがあるのでは?」とする指摘がTwitter上で話題になっている。(文:松本ミゾレ)
中高年世代のクレームは「とにかくそっちが悪いから誠意を見せろ」と嫌がらせレベル
先日、ツイッターでこのようなツイートを目にした。
「若い人のクレームは『どうしてこうなったのかとにかく理由が知りたい』(包み隠さず説明すれば納得してくれる)系が多くて、中年以降のクレームは『とにかくそっちが悪い、俺を特別扱いしろ、こうなった理由とかどうでもいいから誠意を見せろ』などが多かった印象」
これ、サービス業をやっている人、やってきた経験のある人なら、思わず頷いてしまうんじゃないだろうか。
単純に、若い人のクレームって苦情レベルなんだけど、おっさんおばさん、じいさんばあさん世代以降になると、陰湿な嫌がらせの範疇に入ってしまうことが珍しくない。
根底に「お客様は神様扱いをすべき」という身勝手な願望でもあるかのように、まぁ~ネチネチと謝罪の言葉と心ばかりの物品を引き出そうとする、卑しい人を何度も見てきた。
このツイートを拡散しつつ、自分の体験談をツイッターに投稿する人も目立った。いくつか引用して紹介したい。
「これ、コールセンターにいると実感する。電話に出た瞬間にバカヤローとか言ってくるのは大抵高齢者」
「理由を説明したくても聞いてくれない。で、キャンセルだの弁償だの特典を追加しろだの言ってくる。断ると上司を出せ攻撃が始まる」
「若い人は改善策を提示すれば納得してくれるけど、老害は気分を害したから責任を取れって言うのよね」
と、こういった具合に、中年~年配に至るまでのクレームに辟易の声が目立つ形となっている。
筆者が見たひどい中高年クレーマー。土下座を強要し、謝罪文を書かせようとする
僕が高卒で入社した某パチンコホールでも、大なり小なりのクレームは絶えなかったが、年代によってクレームの質というものは確かに異なっていることが多かった。
たとえば遊技中に不具合があったという時、対処はマニュアルに則って行うんだけど、若いお客の場合はこのマニュアル通りの対処と真摯な謝罪対応で、割とすぐに納得してくれたものだ。
ところが中年以降のお客になると、この対応だけではなかなか納得しないことも珍しくなかった。やたら店長を呼ぼうとしたり、土下座を強要したり、謝罪文を書かせようとしてくる。
しかしクレームの原因を突き詰めると、そもそも当人の勘違いであったり、負けたことで逆恨みをしていた、なんてことがよくあった。パチンコホールは建前上は遊技場だが、実際にはギャンブル場。お金が絡んでいる世界なので、悪質なクレームも珍しくなく、クレーマーの年代が高くなればなるほど、無茶な要求をされたものである。
こんな話は、何もパチンコ業界だけに限ったものではなく、滅茶苦茶なクレームは、どの業界でも炸裂している。クレームの対応窓口となった人にとっては、たまったもんじゃないという話だろう。
お客が神様なんてことはないし、無理を通すような身勝手が許されていいはずもない。そもそも、高齢者のクレームの質が、人生経験の乏しい若者のそれよりも劣悪であるという風潮自体、なんとも恥ずかしいことである。
今、若者が「見習いたい」と思える生き方をする高齢者と、反面教師扱いしかされない高齢者と、どっちが多いのだろう。