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新生AUSスーパーカーズがシモーナ・デ・シルベストロのフル参戦を希望

2016年08月16日 15:51  AUTOSPORT web

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昨年のバザースト1000にワイルドカード枠で参戦したシモーナ・デ・シルベストロ(右)とレニー・グレイシー
今季途中で伝統のシリーズ名称を変更し、新たに『スーパーカーシリーズ』として生まれ変わったオーストラリアV8スーパーカー選手権。そのスーパーカーシリーズが、インディカーとフォーミュラEを掛け持つ現役のシングルシータードライバー、シモーナ・デ・シルベストロの2017年フルタイム参戦を希望している。

 かつてはF1のザウバーでテストドライバーを務め、昨年は同シリーズ最大のお祭りである『バサースト1000』に地元ドライバーのレニー・グレイシーとともにワイルドカード枠でエントリーしたシルベストロ。タイトル経験もあるプロドライブチームのフォード・ファルコンをドライブしたが、チームメイトのドライブ中にマシンがオイルに乗り、ウォールへとヒット。40周遅れの21位に終わっていた。

 今季も同様のパッケージで10月のバサーストに登場する予定のシルベストロに対しては、スーパーカーシリーズが掲げる『2017年シーズンに向けたフルタイム女性ドライバー』の理想を満たす存在とみなされており、そのエントリーに向けて運営側が受け入れチームの財政面を援助する用意まであるという。

 昨季までアンドレッティ・オートスポートでフォーミュラEに参戦していたシルベストロだったが、10月開幕のシーズン3に向けては既報の通りシートを失っており、そうした背景もこの計画を後押しする要素になっている……とスーパーカーシリーズのCEO、ジェームス・ウォーバートンは説明する。

「彼女が、現時点において4輪最速の女性であるという事実は、新たな世代のファンの興味を喚起するもので、トップクラスのモータースポーツシリーズにおいて女性の潜在的な可能性を披露し、証明する舞台にもなる。これは我々のシリーズにとって、重要な志であり責務でもあると信じている」と、ウォーバートン。

「F1のテストドライバーも務め、インディカーでは表彰台を経験した3人の女性のうちのひとりであることなど、シモーナの成果はカートや欧州の選手権で戦うドライバーの目標になっている。それは(参戦が実現すれば)スーパーカーシリーズにも波及するだろう」

「さらに、彼女がまだわずか27歳であることを考慮すると、非常に目覚ましいキャリアだと言える」

 さらにウォーバートンは「シモーナはいくつもの選択肢とオプションを持っているので、数多くのチームやシリーズが彼女の動向を追っている」としつつも、「我々のできることをすべて試してみて、候補の筆頭に挙がることを信じている」と付け加えた。


 V8スーパーカー時代の1997年と98年には、メリンダ・プライスとカーリン・ブリューワーというふたりの女性ドライバーがホールデン・コモドアをドライブ。また欧州出身ドライバーでは、2012~13年のアレクサンダー・プレマと同13年のマーロ・エンゲルがいる。エンゲルは10月からフォーミュラEのレギュラーになることが決まっている。

 当のシルベストロは明言を避けつつも、同選手権へのエントリーは選択肢のひとつであると語った。

「(昨季の)フォーミュラEはタフな1年になってしまったけど、私は来季に向けてそこに残留できるよう、あらゆる選択肢を検討している」

「昨年のバサーストは本当に楽しめたし、確かに何か(スーパーカーには)見るべきものがあると思うの」

「今はまだ何も決定をしてはいないけれど、ここには本当に多くのファンがいるし、レースカーやドライバー、必要なもののすべてがそこにあるし、いつでも全開なのは魅力的ね」

「最終的にどういう決断を下すかは誰も知らないわ。まだ、私自身にも分からないのだもの」