FIAと世界ラリー選手権(WRC)のプロモーターは、開催中止の危機に晒されている9月8日~11日のWRC第10戦中国を救うべく、全力を注いでいる。
WRC第10戦中国の舞台となる北京市内の懐柔区は、6月半ばから中国全土を襲っている暴風雨の影響により道路に深刻なダメージを負ってしまった。
また大会自体も財政面で問題があるとされており、開催が危ぶまれている。
この事態を受け、WRCの安全対策部門を率いるミシェル・モートンとプロモーター代表者ら数名が訪中。大会を予定通り開催するべく、緊急のミーティングを行った。
その後、FIAとプロモーターは「我々は大会を開催するために、地元主催者とあらゆる協議と交渉を進めている」との共同声明を発表した。
「先週、我々は現地を訪れて調査を行い、また不測の事態に対する措置も計画し始めた」
また、ある関係者は「関係者全員が手を尽くしたが、いくつかのステージで修復工事が遅れそうな状況だ。そのため、最終的な決断は地元主催者側に委ねられた」とつけ加えた。
「もちろん、できるだけ早く決断が下されることを願っているよ」
チームの備品を積んだコンテナ船は、今週中にも中国に到着する予定だが、最終的なデッドラインは来週となりそうだ。
Mスポーツのカスタマー部門を率いるリッチ・ミレンナーによれば「参戦チームのほとんどは、チャーター便でマシンを空輸するはずだ」と語った。
「(今週末に行われるWRC第9戦ドイチェランド後、)私たちには2.5日間の猶予がある。この間にマシンの整備を済ませ、空港へ送り出す」
「もちろん、なるべく早く開催するか決断してもらいたい。日を追うごとにコストがかさんでいく訳だからね」
「当然、私たちは中国に行くことを望んでいる。誰もがラリー・チャイナ開催を承認したし、重要なマーケットであることも理解している。それに、すでに大量の資金をつぎ込んでいる」
最終的にラリー・チャイナが予定通り開催されるかどうかは、今週末のラリー・ドイチェランド期間中にも発表されるとみられている。