ジェンソン・バトンは、2年半に渡ってメルセデスに挑戦できるチームが存在しないことが、F1を退屈なものにしたと考えている。
メルセデスは現在、3年連続のタブルタイトル獲得に向けて猛進中だ。ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは最近も大接戦を演じているが、ふたりと競合できるライバルが不在であることが、F1にとってのマイナス要因になっているとバトンは語る。
「(ふたりの戦いは)僕に関係のあるものではない。誰が勝つか、勝たないかは僕に何の影響も与えない。僕にとって重要なのは、トップでの戦いに他のチームが関わるか否かだ。同じマシンに乗ったふたりだけがトップ争いをするなんて状況は、F1のあるべき姿ではない」
「他のメーカーやチームが(バトルに)加わる必要がある。僕らが十分な仕事をしていないせいで、F1がつまらなくなっているんだ。(今シーズンのスペインGPで)メルセデスがいなかったときは、4人が優勝争いをしていて、その状況を誰もが喜んでいた。それはこの3年間、僕らが目にしてこなかったものだから、今後はもっとそういったバトルが見られるようになるといいね」
来シーズンに導入される大幅なレギュレーション変更によって、他チームがメルセデスに追いつくチャンスを得ることを、バトンは望んでいる。
「彼らはなぜ、これほどまでに速いのか? もし全員が答えを知っていたら、みんな同じだけ速くなれるよ。彼らは非常に才能ある人材を多く抱えているうえに、レギュレーションが合っているんだろう。来季は追いつかれるかって? たぶん、可能性はある。例えばパワーユニットに関して言えば、フェラーリと比べてみても、それほど優れているとは思えない。ただ彼らには、とても良いマシンがある。全体的なパッケージは素晴らしいものだ」
「エンジンだけを指差して『これのおかげで、彼らは良いパフォーマンスができているんだ』とは言えないと思う。他に何台ものマシンが同じエンジンを搭載しているが、同等のパフォーマンスは発揮できずにいる」
マクラーレンも(来シーズンは)混乱に乗じてメルセデスに挑戦できるかと聞かれると、「誰がどのポジションにつけるかを予想するのは、とても難しい」とバトンは言う。
「いまのトップ3は来季も強さを維持するだろう。マクラーレン・ホンダも彼らと戦えるようになることを望んでいる。このチームにいるスタッフと、今シーズンを通しての開発を見ると、答えはイエスだ。来シーズンの開発という点で、僕らのマシンがどの位置にいるかは不明だ。けれど僕らの抱える人材は才能にあふれていて、非常に良い仕事をしてくれている。ただマシンが来季どうなるかは、まだわからないよ」