ヒュンダイ・モータースポーツから世界ラリー選手権(WRC)に参戦しているヘイデン・パッドンによれば、チームは16年型ヒュンダイi20 WRCのグラベル(未舗装)路面でのグリップ不足に悩まされているものの、新型マシンが登場するまで症状を解決することはできそうにないという。
WRCでは来季、大幅な車両規則の変更が行われるため、ほとんどのチームが15年型のWRカーを継続利用。唯一ヒュンダイのみが、今季新型マシンを投入して、これまで8戦中2勝という結果を残している。
この16年型i20 WRCは当初、15年シーズン中への投入が予定されていたが、ベース車両のホモロゲーション取得が遅れるなどしたため、開発スケジュールも遅れていたもの。
グラベルイベントにおいて、ヒュンダイのドライバーたちは路面コンディションの改善する午後の走行ではタイムを伸ばしているが、コンディションが安定しない午前のセッションではグリップが不足。思うようにペースを上げられていない。
パッドンはWRC第8戦フィンランドで得たデータを解析した結果、グリップ不足はマシンの構造的問題から発生しているようだとの判断となったことを明かした。
「フィンランドでは、サスペンションのスプリングを変更し、セットアップで新たな挑戦も行った。それでも、まったくグリップしていると感じられず、とてもフラストレーションがたまったよ」とパッドン。
「ラリー・アルゼンチンやラリー・ポーランドのような路面であれば、もう少しグリップを得られる。しかしフィンランドでは、なすすべがなかった」
「厳密にどこに原因が潜んでいるのか特定できてはいないけれど、サスペンションかステアリングのジオメトリーに問題がありそうなんだ。症状を解決するには、17年型のマシンが登場するのを待たないといけないだろう」