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あの映画の未来が実現?指紋認証決済「LiquidPAY」が国内外で注目の的

2016年08月14日 06:51  Techable

Techable

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近い将来、支払いの度に、現金やカード、電子マネーをカバンの中から出す必要はなくなるのだろうか。

ログオンに指紋認証を利用しているデバイスが主流になりつつある現在だが、指紋で行なう支払い・決済には依然として難しい問題が残っているという。

こうした決済システムを実現するためには、読み取った指紋をデータベース上のデータと照合する作業が不可欠だ。それも、利用シーンを考えると、数秒で完了することが求められる。

こんなチャレンジに取り組んでいるのが、東京に拠点を置くスタートアップ「Liquid」だ。
・“手ぶら決済”をイベントに導入
生体認証技術を応用した決済サービスを、日本をはじめ、スリランカやフィリピンなどの国で展開しているLiquid。つい先日も米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで特集が組まれるなど、国内外で注目される企業だ。

手をかざすだけで決済が行える「LiquidPAY」を導入する事例も増えており、現在、鎌倉市由比ガ浜の夏季限定ライブハウス「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」では、会場内で登録すれば、ロッカーやシャワーの利用、飲食やグッズ購入などが“手ぶら決済”することができる。
・iPhoneの指紋認証よりも困難な理由
指紋認証や顔認証などバイオメトリクスを利用した識別は、長らく個人認証の理想的な方法だと考えられてきた。ただ、各人に固有の特性を識別するだけに、情報の処理が必然的に困難になる。

iPhoneの指紋認証であれば、ユーザーが登録するデータとの「1:1」照合だが、LiquidPAYのような決済システムの場合はより複雑な「1:多」の識別が求められる。

読み取った指紋を、膨大なデータベースと照らし合わせる作業は、警察では広く利用されている。しかし、何日も時間を費やせる犯罪捜査とは違い、Liquidは照合の終了までを一瞬で完了させなければならないのだ。同社は「ディープラーニング」を含むAI技術を利用し、このスピード問題をクリアしたということだ。

訪日外国人向けの実証実験「プロジェクト池袋」などもスタートさせている同社。2020年の東京五輪の時期には、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のように手をかざすだけで決済が行えるようになるのだろうか。

LiquidPAY