最近急速に普及している「電子タバコ」をご存じだろうか。香料やニコチンを含む液体を、電子機器で蒸気にして吸入するもの。火を使わないので臭くないどころか、甘いストロベリーの水蒸気なら隣の人が吸ってもいいという女性もいるほどだ。
以前から「タバコは唯一の嗜好品」と語り、ヘビースモーカーだった有吉弘行の禁煙にもショックを露わにしていたマツコ・デラックス。しかし、現在あちこちで勃発している「電子タバコをめぐる分煙ルール論争」には嫌煙家に理解を示し、いずれ普通のタバコと同じ扱いになるだろうと読んでいる。(文:みゆくらけん)
マツコも「思ったより煙が出てビックリ」
8月8日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)が取り上げたのは、PMJが販売する「iQOS(アイコス)」とJTの「Ploom TECH(プルームテック)」。どちらも「火を使わず煙が出ない」新型電子タバコとして人気を集めているが、分煙ルールは自治体や場所によってまちまちで、公共交通機関でもケースバイケースで曖昧であることも多い。
飲食店では「禁煙エリアでも新型の電子タバコはOK」となっていたり、「電子タバコ専用区域」が生まれたりしている。「煙が出ないから副流煙問題はクリアしている」という愛煙家の主張と、「害がないとは言い切れない」という嫌煙家の主張。一体、正しい線引きは何処にあるのだろうか。
この問題を受け、愛煙家のマツコは「うーん。。結局ね、ちょっと煙は出るのよ」と困惑顔。マツコのいう煙とは実際には蒸気のことだが、「イヤな人にとっては、それが臭わなかろうが蒸気だろうが、イヤはイヤだよね」と嫌煙家に理解を示し、こう続けた。
「私は吸うから、多少は許してよって思いはあるんだけど・・・。思ったより煙(蒸気)が出たんでビックリした」
また、タバコそのもののニオイはなくても、iQOSの独特の甘いニオイにも言及。「アレを、『ニオイはニオイじゃないか』っていわれたら身も蓋もないよ。だからもう(普通のタバコと)一緒になってくと思う」と決めつけた。
「タバコを吸う人はちょっと」な雰囲気は残る
さらに、タバコを吸わないふかわりょうに「いくらタバコじゃないっていわれても、ラッシュアワーのホームでプカプカされてたらアンタたち、嫌でしょ?」と尋ね、「イメージでね……」と答えさせていた。
そう、ふかわのいう「イメージ」がおそらく肝だ。たとえ副流煙やニオイの問題がクリアになったとしても、「タバコを吸う人はちょっと……」な雰囲気は残ると思う。嫌煙家からすれば、社会がこんなにも「タバコに害あり」とリスクを呼びかけているにもかかわらず、頑なに吸い続ける本人の「退廃的なイメージ」が苦手なのだろう。
そういえば先日、カウンターの店でお酒を飲んでいたら、隣に若い男女がペアで座っていて、とても良い雰囲気になっていた。聞こえてくる会話から、2人はまだ恋人ではなく、男性は今夜当たりどうにか口説きたいという雰囲気だった。(ガンバレ!)と密かに応援していたが、男性が「ちょっと吸っていい?」とタバコを取り出すと、ムードは一変。
「え? 吸うの? 私、タバコ吸う人は苦手」
「タバコ同様禁止にしてくれ」という訴えも
彼女が顔色を変えたのを見た男性、慌てて「わかった! じゃあ、○○ちゃんの前では絶対吸わない!」。しかし追い討ちをかけるように、女性がひとこと浴びせかけた。
「それもあんまり意味ないかな。もし彼氏になった人が自分の見てないところで不健康なことをしていたらイヤやし、それはつまり、自分の大事な人が悲しむのを想像できひんってことやから」
番組を見た視聴者からは、電子タバコについて「新幹線で吸ってる奴いたわ。正直嫌だった」という声があった。車掌に苦情を言おうかと考えたが「ググったら思いっきりグレーゾーンだったからやめた」そうで、「本当にタバコ同様禁止にしてくれ」と訴えている。
吸わない人からすれば、普通のタバコと電子タバコの見分けが付きにくいということで「電子タバコを勘違いしてケンカとかありそう」「タバコはタバコなんだから分煙しとけや。『これは電子タバコだからセーフ!』が通じない奴もおるぞ」という声もあった。
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