ザウバーF1のチーム代表モニシャ・カルテンボーンは、財政的な危機を脱したいま、来シーズンは必ず復調しなければならないとの強い決意を語った。低迷から脱するため、大規模なチーム再編を考えているということだ。
今年ザウバーは財政難によりマシン開発を進めることができず、F1活動を継続できるかどうかも危ぶまれるなど、非常に厳しいシーズンを過ごしてきた。
しかし、チームの所有権が先月ロングボウ・ファイナンスS.A.に譲渡され、これによって開発と来シーズンに向けての準備を進めることが可能になった。
第12戦ドイツGP終了時点でザウバーの獲得ポイントはゼロ。しかし今後は財政状況が改善することを考えると、来シーズンにペースを取り戻せなかった場合、言い訳はできないとカルテンボーンが心中を語った。
「私たちの目標は、通常通りの仕事に戻ること。明日をどう生き延びるかを目標にするのではなく、より長期的に物事を考え、マシンから最大限の力を引き出すことに目を向けるべきです」とカルテンボーン。
「今季のマシンから力を引き出す余地はまだありますが、いずれ来季のマシン開発にリソースをシフトしなければなりません」
「来年は不調の言い訳はできません。すぐにトップに立ちたいと言うつもりはありませんが、自分たちに何ができるのかは分かっています。それを実現するための設備も人員も揃っているので、大きな目標を掲げることが可能だと思っています」
カルテンボーンはチームの組織改革に取り組んでおり、そのなかには開幕目前で辞任したテクニカルディレクター、マーク・スミスの後任人事も含まれていると明かした。現在は他部門のトップらがこの職を兼任しているが、カルテンボーンはこの状況は理想的ではないと考えている。
「チームの全員がテクニカルディレクターの復活を求めていますが、適任な人材を探すのは簡単ではありません」
「(テクニカルディレクターがいないことで)チームの効率を最大限にできず、それが痛手となっていましたが、そうするしかない場合は不満を口にしても仕方がありません。現状を生かしきるしかなかったのです。でもテクニカルディレクターがいれば、効率は上がるでしょう」
ザウバーではトラックエンジニアリング部門のボスを務めていたティム・メイロンが4月に就任後3カ月で離職しており、カルテンボーンはその後任となる人材の雇用も希望している。
「目を向けるべき部分がいくつかあります。どんなポジションであれ、戦略的に必要であれば雇用するつもりです。人員の追加と交替を考えています」
「新たなチャンスを得たので、これを最大限に活用するためにはオープンでいることと、変化が必要なんです」