劇場アニメ『映画 聲の形』の新たな場面カットが公開。あわせて声優を務める松岡茉優のアフレコ現場を写した写真が公開された。
9月17日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される『映画 聲の形』は、大今良時による漫画『聲の形』をもとにした作品。小学生時代のある出来事がきっかけで周囲から孤立して心を閉ざした将也と、小学生の頃に将也から無邪気な好奇心を向けられた転校生の硝子が、高校生になって再会するというあらすじだ。アニメーション制作を京都アニメーションが担当し、監督を山田尚子が務めている。
公開された場面カットは、松岡が声を演じる小学生時代の将也の登場シーン。将也が丸めた本を使って硝子に呼びかけている様子が確認できる。
松岡は将也の声を演じたことについて「はじめは声だけに演技を乗せるのがこんなに大変なのかとすごく悔しかったですが、徐々に山田監督との信頼関係も築けたと思います」とコメント。
『けいおん!』シリーズで知られる山田監督は松岡の起用について「松岡さんが演じられていた役でとても大好きな役がありまして、小学生将也のことを考えたときに、その子のことがふあっと浮かびました。きっとこの時に自分の中では松岡さんの将也と握手していたのだな、と思います。彼女の中にあるたくさんの感受性のどんな部分から将也が生まれてくるのか、とても知りたくなってお願いしました」と語っている。
■松岡茉優のコメント
声優のお仕事は3本目になるのですが、一番リアルに近かった作品で、普段実写でやっている役作りをしてみようと思いました。
役として石田将也君を見つめ直してみると、悪気のない純粋な将也君が見えてきました。
自分自身にとっても新しい試みで、はじめは声だけに演技を乗せるのがこんなに大変なのかとすごく悔しかったですが、徐々に山田監督との信頼関係も築けたと思います。声優と俳優というお仕事に繋がる架け橋の兆しが見えた気がして、本当に光栄です。将也君は私にとってかけがえのない少年になりました。
■山田尚子監督のコメント
テイクを重ねる毎にたくさんの将也を見せてくださいました。松岡さんの中で将也がどんどん呼吸し始めて、動きまわっているのが手に取るように見えきて、本当にわくわくしました。その間、松岡さんはずっと将也と対話されているようでした。
途中、入野さんの将也の生の声を聴かれるタイミングがあったのですが、それからの松岡将也がまたすばらしくて。小学生の将也と高校生の将也がちゃんと同一人物として存在する形にしっくりなじませていかれました。
普段、声だけで芝居をすることはあまりされていないと思うので、いろいろと窮屈だったりしたと思うのですが、そのようなことを全く感じさせないようなものすごい感性とセンスを目の当たりにして、頭がくらくらしてしまいました...。
■大今良時のコメント
とても自然な演技だと思いました。投げ出すような感じというか、放り投げるような感じというか、本物の小学六年生のような喋り方が、私のイメージする子供時代の将也そのものでした。特に怒鳴った時の声がすごく魅力的でした。