毎戦のように空力をアップデートし続けているマクラーレン。ハンガリーGPでは2種類のフロントウイングを持ち込んだが、フェルナンド・アロンソが使用したものが最新バージョンで、それは1つしか製造が間に合わなかったために、アロンソがチーム内の取り決めどおり、優先的に使用した。ドイツGPではもう1つ同じバージョンのフロントウイングを用意できたため、2人そろって最新バージョンのフロントウイングを使用した。
そのドイツGPでは、マクラーレンはもうひとつ最新の空力アイテムを投入している。それは、フロアの前端、コクピットの下に位置する部分に水平のスプリッター(写真)を追加したことだ。
これは今年のウインターテストからレッドブルが採用しているアイデアで、レッドブルに続いてマクラーレンが2チーム目の採用となる。これはマクラーレンの空力がレッドブルから移籍してきたピーター・プロドロモウ(チーフエンジニア)によって開発していることと無縁ではない。
この空力パーツの役割は、ノーズ下から流れてきた空気をサイドポンツーンへ、できるだけ流速を落とさないようきれいに導くことである。それは、つまりマクラーレンが昨年から課題としていたフロントウイングの性能が安定し、改良がマシンのフロント部分から後ろへ移って来たことを意味する。