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Kis-My-Ft2が“最速記録”再び更新 東京ドーム公演で感じたデビュー5周年で培われたグループ個性

2016年08月10日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 Kis-My-Ft2がデビュー5周年を迎え、7月1日の京セラドーム大阪公演を皮切りに『Kis-My-Ft2 CONCERT TOUR 2016 I SCREAM』を開催している。同ツアーを終了する頃には、ジャニーズ史上最速の200万人を動員する記録を達成し、CDデビューの18日後に開催した初の単独東京ドームコンサート、男性アーティスト史上最速で行った4大ドームツアーと並ぶ、異例の“最速”記録を更新し続けることになる。


(参考:Kis-My-Ft2、“らしさ”で新たなフェーズへ? デビュー5周年アルバムで見せた変化


 ジャニーズJr.時代、すでにデビューしているグループの様々な背景を組み合わせたイメージが強かったKis-My-Ft2。光GENJIを彷彿とさせるローラースケートでのパフォーマンスをはじめ、ジャニー社長に「YOUたちはKAT-TUNの弟分」と言われたことがきっかけで全員が金髪にピアスでワイルドな風貌だったこともあった。多くのグループが華々しく活躍するなかで、新しいグループがやっとデビューを遂げても、昔ほどのインパクトはない。デビュー当時、彼らの個性は光りにくかったように感じる。


 しかし、この5年で彼らは、ジャニーズの中でも独自のポジションを見出してきた。イケメン枠で映画やドラマなど俳優業もこなす藤ヶ谷太輔と玉森裕太をはじめ、『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)の人気が定着し、今までにない「イケてないジャニーズ」という変わった切り口でお茶の間との距離を縮めていった。実際に同ツアーの8月7日東京ドーム公演では、彼らのグループとしての個性と、メンバー1人1人のバラエティ豊かなキャラクターが確認できたステージが繰り広げられていた。


 Kis-My-Ft2の中で、特にグループらしさを発揮しているのが、派生ユニット「舞祭組」のメンバーである千賀健永、宮田俊哉、二階堂高嗣、横尾渉の4人の存在である。同コンサートのMCで、宮田が滑ったセリフを玉森が言うことにより「キャー」という歓声があがることについて、北山は「やっぱ(ファンは)玉森に甘い!」とツッコみ、宮田は「宮田だって傷つくんだからな!!」と笑いをとっていた。彼らのコンサート中のMCではコミカルなトークが繰り広げられるが、舞祭組のメンバーがオチとして1番美味しいところを持っていくのだ。また、合間には、宮田が滑った直後にカメラが藤ヶ谷をスクリーンに写し、観客が湧くように仕向けるというスタッフと連携した宮田イジりが発生。宮田自身も「俺がしゃべります、滑ります、カメラさん気を使って藤ヶ谷さん映します、キャーってなります」と自らネタにし、彼らの自虐的なフリにあわせて、藤ヶ谷や玉森がアイドル全開のファンサービスをするといった連携がさらに会場を盛り上げていた。


 そして、6月22日に発売した5枚目のアルバム『I SCREAM』収録のメンバー7人がそれぞれセルフプロデュースを行ったソロ曲が今まで以上に個性的で、今回のコンサートを盛り上げる1番のポイントとなっている。


 また、同ライブ中に北山が「何か男性の方も凄い入って下さって」と語ったように、彼らのコンサートには男性ファンも多く足を運んでいる。ペンライトを回し、振り付けを真似して一緒に踊っている姿も印象強く写った。宮田は「俺『最後もやっぱり君』でしっとりダンス踊ってるところで、すごい投げチューしてくる男性がいたの。思わず笑っちゃった」と話し、彼のヲタク的なキャラクターも含め、アイドルの中でも親近感を与える存在として好かれている部分が伺えた。コンサート中に、藤ヶ谷からメンバーの中で誰が好きか聞かれた男の子は「きたみつ。一生懸命なところ」と答え、幼い子でさえ、1人のアイドルの魅力を理解し切っていることに驚かされた。


 その他にも、和太鼓パフォーマンスや、メンバーが20メートルの高さから降下するワイヤーアクション、日本初上陸のマシン使った光と水の演出など、関東エリアだけでも東京ドーム4日間という規模で開催されたKis-My-Ft2の5周年コンサート。北山が最後に残した「デビュー5周年とはいえ、結成して10年以上立つし、まだまだ通過点です」という言葉通り、これからもさらなる記録を更新し、次世代トップのジャニーズアイドルを目指していく彼らを応援していきたい。


(梅中麻衣)