ルイス・ハミルトンはシーズン後半、パワーユニット交換によるペナルティを受ける可能性が高い。一方チームメイトで、F1タイトル争いのライバルであるニコ・ロズベルグは「リスクなし」で戦うことができそうだ。
現チャンピオンのハミルトンは、先月のオーストリアGPで今季の上限となる5基目のターボチャージャーとMGU-Hを投入しており、後半戦のどこかで10グリッド降格のペナルティを受けることは避けられないと見られている。ドライバーズランキングではスペインGP終了時点でロズベルグに43ポイントの差をつけられていたが、直近の7戦中6戦で優勝したことで逆転、19ポイントのリードを得ている。
「もしニコ(ロズベルグ)が予選で好調を維持し続けた場合、僕は少なくとも1レースはピットかグリッド後方からスタートすることになり、彼は前方でリスクなしのレースができる。これまでも見てきたように、後方からスタートしたところで何が起きるかはわからない。すべてが平等だとは、まったく思えないね。もし僕らが同じ数のエンジンを持っていたとしたらイコールだと思えるかもしれないが、いまは違う。でも、これが現実だし、むしろ僕をハングリーにしている。ただ懸命に戦うしかないんだ」と、ハミルトンは語る。
ハミルトンは、1レースでまとめてペナルティを受け、シーズンを走りきれるだけのコンポーネントを一度に準備することを提案。ドイツGPでは、ベルギーまたはイタリアのどちらかで一気に交換する可能性があることを示唆したものの、ホッケンハイムで優勝したパワーユニットが再度の使用に耐えることも望んでいる。
「エンジンを大いに労りながら走ったから、次のレースでも使えるといいね。もうすぐコンポーネントが足りなくなるので、交換は次戦(ベルギー)かモンツァ(イタリア)になるだろう」
メルセデスのトップであるトト・ウォルフは、パワーユニット交換には複数の要素が絡むため、時期は「まだ決定していない」と話す。
「モンツァという可能性はある。コース上でペナルティの影響を最小限に抑えるために、オーバーテイクがしやすい場所を狙っている。また、最後のエンジンでシーズンをスムーズに終えられるよう、もう少しだけ引き伸ばしたいとも思っている。エンジン交換の次のレースで、パフォーマンス向上のアップデートを投入して、それがニコの利益になるようなことは避けたい。すべての要素を考慮に入れる必要がある」
昨シーズン、メルセデスはイタリアGP前にエンジン開発のトークンをすべて消費している。今季も同じタイミングでアップデートを投入し、ハミルトンは最新型パワーユニットを一気に補充することになるのだろうか。