2008年~2011年までドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦していたマーロ・エンゲルが、今年10月に開幕する2016/17年のフォーミュラEにベンチュリから参戦する。
ベンチュリはすでに、ステファン・サラザンの残留を発表しており、エンゲルはマイク・コンウェイに代わって、サラザンのチームメイトを務めることになる。
現在、メルセデスのワークスドライバーを務めるエンゲルは昨年、マカオで行われたFIA GTワールドカップで優勝。また今年のニュルブルクリンク24時間レースでは、メルセデスを勝利に導いた。
また、2015年の夏にはベンチュリと半日間のテストを実施。ニューマシンであるVM200-FE-02の開発に携わっている。
「ここ数年は屋根のあるマシンでレースをしてきたから、ふたたびフォーミュラカーでレースができることを楽しみにしている」とエンゲル。
「シーズン3で使うマシンをテストし、開発に携われて本当に楽しかったし、さらなるチャンスがあればと思っていたんだ」
「それから月日が経って、チームからレースに出るチャンスを提示された。これはまさしく、僕が望んでいたことなんだよ」
ベンチュリに合流後も、エンゲルは並行してメルセデスAMG チーム・ブラックファルコンからブランパンGTシリーズに参戦する。
エンゲルはシングルシーターへの復帰を許可したメルセデスに感謝するとともに、フォーミュラEはレーシングドライバーにとって「価値のある場所」と語った。
「僕はフォーミュラEに初年度から注目してきた。偉大なドライバーやチームと世界中の都市でレースができる。参戦するマニュファクチャラーも増える一方だしね」
「電動のフォーミュラマシンにはすぐ慣れたし、オフシーズンの間に取り組んできたことには自信を持っている。それでも自分たちのポジションを予測するのは難しいね」
「僕はフォーミュラEではルーキーだし、モータスポーツにおいて経験が非常に重要だということを理解している。今は懸命に学習しているところだよ」
ベンチュリのパワートレイン開発を率いるフランク・バルデットは、エンゲルの高いフィードバック能力を評価。開発スケジュールが滞りなく進んでいると絶賛している。
また、バルデットはマイク・コンウェイの放出は、ドイツ人ドライバーを乗せたいというスポンサーの意向によるものだと明かした。
「マイク(・コンウェイ)は素晴らしいドライバーであり、我々は彼に感謝している。彼が我々とともにレースを続けられないことは喜ばしいことではないが、マーロ(・エンゲル)も並外れたドライバーであるため、複雑な思いだ」
「エンゲルはマシンのことを理解しているが、フォーミュラEのレースは未経験だ。これはシリーズを戦う上で足かせになる。この難題をクリアできるかが、彼が成功を掴むための課題となるだろう」