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LEXUS TEAM SARD スーパーGT第5戦富士レースレポート

2016年08月09日 11:51  AUTOSPORT web

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2016スーパーGT第5戦富士 DENSO KOBELCO SARD RC F
DENSO KOBELCO SARD RC F
第5戦富士、8位フィニッシュでランキング2位を堅守!

2016 SUPER GT 第5戦「FUJI GT 300km RACE」(8/6~7)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選18,400名、決勝33,500名 合計51,900名

 8月7日(日)、シリーズ前半戦の最終節となるSUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われ、13番グリッドから勇猛果敢に3連続表彰台を狙っていったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当したヘイキが圧巻の走りで巻き返して18周目にセーフティーカー(SC)が導入されるまでに8位に順位を上げた。

 ペースも安定して良いことからピットイン周を引っ張る作戦を敢行して36周を終えてピットイン。ピット作業で1台をかわして7位で戦列に復帰した。交代した平手はアウトラップで一旦8位に順位を落としたが再び最終コーナーで隙を突いて7位に。だが軽量の相手にストレートで抜かれ8位へと好バトルを展開しながら粘って追走しチャンスを狙っていった。約2秒差まで詰め寄った状況に持ち込んだところで惜しくもチェッカー。暑さとウェイトハンディで厳しいレースであったが8位でフィニッシュし貴重なポイントを獲得した。

 ドライバーポイントでは3点を獲得(計37点)、チームポイントでは6点を獲得(計49点)し、シリーズランキング2位を堅守した。次の第6戦は8月27日(土)・28日(日)に鈴鹿サーキットにて1000kmレースとして開催される。

 前戦SUGOでは力強いレースを見せ連続2位表彰台を獲得し、シリーズランキング2位に浮上したDENSO KOBELCO SARD RC F。シリーズ前半戦の最終節、真夏の3連戦2つ目となる第5戦は富士スピードウェイが舞台。

 公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は14時35分スタートの300km(66周、約2時間)で争われる。ドライバー交代を伴うピットストップは1回で、ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる68kgを搭載する。

 5月に当地で行われた第2戦では波乱のサバイバル戦で2位を獲得し、長いインターバル後の第4戦SUGOでも連続2位表彰台と流れに乗って勢いづいているDENSO KOBELCO SARD RC F。予選、決勝ともハンディウェイトの影響が大きく響くことが予想されるが、シリーズ前半締め括りとなる富士で、チャンピオンシップ争いの流れを大きく引き寄せたいところ。

 重量があってもシリーズ生き残りをかけた激しい戦いの中で、うまく勝機を掴んで上位に食い込めば得られるゲインは大きい大事な一戦であり、8ポイント差で追うシリーズリーダーとの差を何としても縮めておきたい正念場でもある。チーム一丸となって、勇猛果敢に3連続表彰台を狙っていった。

 6日(土)午前中の公式練習走行は、朝から気温が上昇し、気温28度/路面温度33度のドライコンディション。8時50分から混走セッションが開始され、前戦SUGOで素晴らしいドッグファイトを披露したヘイキからスタート。ミディアム系とハード系のタイヤの確認を行った。まずミディアム系での最初のアウティングでは1分31秒412でその時点の11番手タイム。次にハード系のタイヤを装着して15周目に1分31秒180とタイム的にもフィーリング的にもこの酷暑のコンディションとハンディウェイトの重さからハード系がタイヤが現在のクルマの状況にベストチョイスと判断された。

 このハード系タイヤをいかにうまく使いこなすかが今回のレースのキーポイント。ヘイキが24周目までロングランのフィーリングをチェック。25周からは平手が14周にわたってロングの状況を確認した。1発のタイムは望めないがコンスタントに安定したタイムで周回を重ね、決勝を睨んだ良いデータが得られた公式練習走行となった。

 混走セッションではヘイキのマークしたベストで14番手に。10分間のGT500単独セッションでは、ヘイキがQFでは使用しない方のタイヤでアタックシミュレーション。4周目に1分30秒703の14番手タイムとなった。公式練習走行ではトータル43周を走行。またその後行われたサーキットサファリではヘイキが4周、平手が5周走行して予選への準備を整えた。

■Q1:ヘイキが奮闘見せるも13位
 6日(土)天気は晴れ。気温33度/路面温度48度とさらに上昇。6分遅れの14時51分からQ1が開始された。残り8分を切ったところでヘイキがコースイン。重量が響いており公式練習走行の様子からQ1突破は厳しい状況ではあったが少しでも上位を狙ってヘイキがアタック。ハード系タイヤをチョイスして臨むQ1チャレンジとなった。

 まずは3周目に1分30秒300のタイム。続けて4周目のアタックラップでセクター1ベストを刻んだヘイキ。セクター2でわずか2/100秒ほど遅れる。重量が響くセクター2、3はタイヤにも厳しく若干遅れてしまう。5周目もアタックを敢行してセクター1を2/100上回る自己ベスト。だが続くセクター2、3ではリヤグリップが薄くなってきてしまい、タイムアップはここで万事休す。Q1はヘイキが奮闘を見せたがトップから1.8秒落ちの13位という厳しい結果となった。

■フリー走行
 7日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温28度/路面温度36度の快晴。まずは平手から自分のスティントで装着予定のタイヤを1周ベディング。そして今回もスタートを担当するヘイキがスタートタイヤと同じ種別のハード系ユーズドタイヤを装着してコースイン。セッションベストをマークしながらまずまずのペースでラップを重ねた。11周目から交代した平手も安定したペースでチェッカーまで走行。フリー走行ではトータル17周を走行して、4周目にヘイキがマークした1分32秒507の14番手タイムとなった。

■決勝スタート
第1スティント:ヘイキの健闘で、大きく挽回する好走
 7日(日)14時35分決勝スタート時点は気温33度/路面温度54度にまで上昇。クルマにもドライバーにも厳しい酷暑となった。静岡県警によるパレードラップを終え、正式スタートが切られ13番グリッドから勇猛果敢に3連続表彰台を狙っていったDENSO KOBELCO SARD RC F。好スタートを決めたヘイキが、7位から連なる集団の最後13位で虎視眈々とチャンスをうかがう走り。

 序盤から波乱含みの展開でトラブルやコースオフ車両が出てきた中で堅実な走りに徹したヘイキ。チャンスがあると隙を突いて前走車をパス。タイヤをいたわりながらの圧巻の走りで巻き返していった。そして9周目には一気に8位に順位を上げた。

 18周目にセーフティーカー(SC)が導入され24周目に解除されると再び1分33秒台の安定したペースで追い上げるヘイキ。各車ピットインを始めた中でペースも安定して良いことからピットイン周を引っ張る作戦を敢行。36周を終えてGT500クラスの最後にピットインを行った。

第2スティント:平手が粘りの走りでポイント獲得
 ピット作業で1台をかわして7位で戦列に復帰したDENSO KOBELCO SARD RC F。交代した平手はアウトラップで一旦38号車にかわされ8位に順位を落としたが再び最終コーナーで隙を突いて7位に。だが軽量の相手にストレートで抜かれしまい8位へと後退。諦めない平手は抜かれはしたものも必死に食い下がり、好バトルを展開しながら最後まで粘って追走しチャンスを狙っていった。

 そしてタイムにかげりが見え始めたライバルに約2秒差まで詰め寄った状況に持ち込んだところで惜しくもチェッカー。暑さとウェイトハンディで厳しいレースであったが8位でフィニッシュし貴重なポイントを獲得した。

 ドライバーポイントでは3点を獲得(計37点)、チームポイントでは6点を獲得(計49点)し、シリーズランキング2位を堅守した。次の第6戦は8月27日(土)・28日(日)に鈴鹿サーキットにて開催される。

ヘイキ・コバライネン
「非常に厳しくてタフなレースだったけどポイントを獲得できたことが何より良かった。これからチャンピオンシップを争っていくにはライバル勢と比べて足りない点もハッキリしたと思う。克服していかなければならない課題を1つ1つ解決していくというハードワークが続くとは思うけど最後まで諦めずにチャレンジしていきたいね」

「ランキングトップとは13点差に広がったけど、まだあと鈴鹿、タイ、もてぎ2レースと4つもあるし、鈴鹿で勝てばすぐに逆転することもあり得る。気持ちを強く持って次の鈴鹿に臨みたいね。そして、応援してくれている皆の笑顔を表彰台からシャンパンファイトで濡らしたいね!」

平手晃平
「ウエイトハンディの重さと熱い路面コンディションに苦しみましたが、なんとかランキング2位を維持できて良かったです。今回の目標は第1にポイントを獲得すること、第2にランキングを維持することでしたのでちょっとだけタラレバはありますが、次に向けて対策できればもっと強いレースがお見せできると思います」

「チームはレース毎に一体感が出て力強くなってきてますので、次の長丁場の鈴鹿1000kmはキッチリと走りきれば勝利も見えてくる大事な戦いになると思います。気を引き締めて臨みます。引き続き熱いご声援よろしくお願いします!」

野田英樹監督
「苦戦は覚悟の上でしたが、予選ではしっかりと決勝に向けたシミュレーションを行い車両をセットアップ。自分たちを信じて進めました。決勝は2人のドライバーとも重くてタイヤに厳しい状況の中で素晴らしい走りで攻め続けてくれました。チームの各メンバーが各々のポジションでしっかり仕事をこなして戦ってくれ、精一杯の声援を送り続けて頂いたスポンサーとファンの皆様のおかげで得られた貴重な3ポイント。今回も力強いサードを証明できたと思います」

「今回得られた大事なポイントを次の鈴鹿につないでチャンピオンシップ生き残りをかけて戦っていきたいと思います。引き続きのご声援をお願いいたします」