世界ラリークロス選手権(WorldRX)は7日、第7戦カナダRXが行われ、最後列からスタートしたティミー・ハンセン(プジョー208WRX)が今季初優勝を飾った。
ハンセンはファイナル進出がかかったセミ・ファイナル2で4位に終わり、一時はファイナル進出を逃してしまう。しかし、2位を獲得したティミー・ティマラザヤノフ(フォード・フィエスタ)に失格裁定が下ったことで、繰り上がり進出を果たした。
迎えたファイナルは弱い雨が降るウエットコンディション。、ハンセンは最後尾から抜群のスタートをみせ、1周目を終えて3番手までポジションアップする。2周目にはトップを走るトーマス・ヘイキネン(アウディS1)が1コーナーでアウトに膨らんだ隙を突いてオーバーテイクし、さらにひとつポジションを上げてみせる。
首位のアンドレアス・バッケルド(フォード・フィエスタRSRX)をテール・トゥー・ノーズで追うハンセンは4周目、全車に走行義務が課されている“ジョーカー”をクリアする。その翌周にはトップのバッケルドもジョーカーに進むが、バッケルドがわずかにオーバランすると、ハンセンは隙を見逃さずにオーバーテイク。トップへ浮上した。
その後、ファイナルラップでハンセンはバッケルドの猛追を防ぎきりトップチェッカー。最後尾からの逆転勝利を飾った。2位にはバッケルド、3位にはヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ)が入っている。
「ファイナル前に降りだした雨は“恵みの雨”だった。マシンはウエットコンディションでも完璧だったからね」とハンセン。
「今日起きたミラクルは、もう2度と起きないだろう。素晴らしいバトルをできたアンドレアス(・バッケルド)とヨハン(・クリストファーソン)と表彰台に立つことができて嬉しい」
「夢のような1日だったけれど、マシンを改善するための課題は山積みだ。次のフランスRXでもチームに最高の結果を持ち帰りたいね」
ランキング2位で今大会に挑んだ2年連続王者のペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)は、ポールシッターとしてファイナルに進出したが、スタートで出遅れ最下位に転落。その後もペースを上げることができずに5位でチェッカーを受けた。しかし、ポイントリーダーのマティアス・エクストローム(アウディS1)がファイナル進出を逃したため、ソルベルグが4点差でランキングトップの座を奪っている。
次戦の第8戦は9月2日~4日にフランス・ロハエックで行われる。