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ニッサン モータースポーツ スーパーGT第5戦富士レースレポート

2016年08月08日 14:51  AUTOSPORT web

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#12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
カルソニックIMPUL GT-Rがポール・トゥ・ウィン。GT-Rは開幕4連勝
SUPER GT 2016第5戦レースレポート


8月7日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
 8月最初の週末で、全国的に猛暑に見舞われた8月7日(日)、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)ではSUPER GT第5戦が行われ、ポールポジションからスタートした#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がトップを快走。全く危なげない韋駄天ぶりで優勝を飾りました。開幕戦の岡山と5月の富士で#1MOTUL AUTECH GT-Rが2連勝を飾ったのを皮切りに、前回のSUGOでは#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが優勝したのに続いて、Nissan GT-R NISMO GT500の連勝記録は4に伸びています。

 前日の公式予選日から猛暑となり、決勝日も早朝から暑いコンディションとなった富士スピードウェイ。決勝レースも、最後まで猛暑の中での戦いとなりました。静岡県警の警察車両が先導するパレードラップは予定通りに始まり、GTカーの隊列がローリングラップを回った後、午後2時42分にスタートが切られることになりました。

 ポールスタートの#12 カルソニックIMPUL GT-Rは、スタートをオリベイラが担当。見事なスタートダッシュを決めてレースをリードします。レース序盤はこれに、それぞれ2番手と3番手のグリッドからスタートしたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)と#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が追走していきましたが、84kgのウェイトハンディを搭載している1号車を従え、12号車と46号車が2台で先を急ぐ態勢となりました。

 その2台のうち、少しペースが速かった12号車は少しずつ46号車との間隔を拡げていきました。スタートから20周を過ぎ、12号車のリードが11秒余りとなったところでコース上にアクシデントが発生。落下物排除のためセーフティカーがコースインすることになりました。これで12号車のリードはリセットされましたが、24周を終了したところでセーフティカーがピットロードに向かい、レースが再スタートしたとたんに、46号車との間にいたバックマーカーを使い、12号車は再び数秒のリードを築くことになりました。

 33周を終えたところで12号車はルーティーンのピットインを行い、オリベイラから安田に交代。後半のスティントを担当する安田は、ピットアウト直後から猛プッシュし、前の周にルーティーンピットを行った46号車とのギャップを拡げていきました。そして46号車が戦列から去った後、47周目以降は2位との差を20秒以上に保ったまま周回を続け、文句なしのポール・トゥ・フィニッシュで今季初優勝を飾りました。

 3番グリッドからスタートした#1 MOTUL AUTECH GT-Rは、前半のスティントをクインタレッリが担当し、後半の松田次生につなぐ作戦でした。序盤はトップを行く12号車や46号車に引けをとらないペースで走行していましたが、やはり84kgのハンディウェイトは厳しく、タイヤをいたわりながら我慢の走行を続けます。

 それでも3位のポジションはキープしたまま序盤を終えましたが、ピットインのタイミングで後方から追い上げてきた軽い車両に先行を許してしまいます。トップを快走する12号車と同じく33周を終えたところでルーティーンのピットインを行った1号車は、松田に交代して後半のスティントを走り始めました。4位にまで進出した1号車でしたが松田はなおも追撃の手を緩めることなく、2位争いの2台に迫って行きました。しかしやはりウェイトの影響は大きく逆転叶わぬまま4位でゴール。選手権ポイント8を加えてポイントリーダーの座をさらに確実なものとしています。

 今回、12号車とのトップ争いが期待されていた#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはセカンドグリッドから本山哲がスタート。予想通り12号車とのマッチレースを展開することになりました。12号車より1周早くルーティーンのピットインを終えた46号車は、後半を担当する千代勝正がピットアウト直後から猛プッシュしましたが、次の周の1コーナーでメカニカルトラブルによりコースアウトしてレースを終えることになりました。また6番グリッドからスタートした#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝)はエンジントラブルでリタイアに終わっています。

 GT300クラスでは、17番手グリッドからのスタートとなった#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)が、星野からマーデンボローにつないで後方から猛チャージ。見事6位入賞を果たして貴重な6ポイントを加算しています。

TEAM IMPUL星野一義監督
「やっと勝てて、ホッとしました。最初から良いペースで走れていたけれど、追うレースではなく追われる立場は気が気ではない。JP(オリベイラ)を早くピットインさせたのは、競っていた46号車のピットタイミングを見て次の周に入るよう指示した。ZF賞(ベストメカニック賞)をもらえたのは、まさに皆のおかげ。過去2戦に成績が残せなかったのは全て監督の責任ですが、今回の優勝で帳消しになったかな。次も頑張ります」

ニスモ鈴木豊監督
「(84kgの)ウェイトを考えれば、良いレースだったと言えます。ベストではなかったですが、想定の範囲の中で計画通りにレースを進められたと思います。また、ポイントリーダーとしては、2位に差をつけられたことも良かったです。こういったレースを繰り返していくことが、シリーズチャンピオンに向けて大事なことだと思います」