ルノーのマネージングディレクター、シリル・アビテブールは、今後のドライバーラインナップについて、チームの牽引力となるような「カリスマ性のあるリーダー」がほしいと語った。
彼らは現在、2017年のドライバー候補を検討しており、すでにセルジオ・ペレスに打診をしているほか、バルテリ・ボッタスにも関心を示していると言われる。また、今季のドライバーであるケビン・マグヌッセンとジョリオン・パーマーも、候補から外れたわけではないようだ。
「ルノーとしては、長期的にチームに力を貸してくれるドライバーを求めている」と、アビテブールは語った。
「ルノー・ブランドを代表するアンバサダーとして、そしてチームのリーダーとして働いてくれるようなドライバーがほしいんだ。こうした役割を担うのは、若いドライバーには難しい。彼ら(マグヌッセンとパーマー)はまだ成長中の若手であり、私たちに必要なリーダーの役目を任せるのは少し早すぎるように思う」
「ビッグチームを見ると、セバスチャン・ベッテル、ミハエル・シューマッハー、ニコ・ロズベルグといった、カリスマ性のあるドライバーのリーダーシップをうまく生かしてきたところが多い。私たちもそういうリーダーがほしいんだ」
「彼ら(マグヌッセンとパーマー)に、その能力がないとは言わない。だが、ルノーは今後どこかの時点で、ビッグネームを招く必要があるだろう」
とはいえ、そうした有力ドライバーは全員来季の契約が決まっており、別のチームからスタードライバーを引き抜いてくるのは事実上不可能であると、アビテブールも承知している。
「十分な検討もせずに、判断を急ぐべきではない。ルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソといったドライバーは、みんな他のチームの契約下にあり、この冬には動きはないだろう。だから、私たちも判断を急がず、じっくり時間をかけて、誰の獲得を狙うのか、しっかり意見をまとめたほうが良さそうだ」
また、アビテブールは、今年のルノーがマグヌッセンやパーマーに対し、彼らの能力を証明できるクルマを与えていないことを認めている。
「クルマの信頼性の問題で、台無しになってしまったレースがいくつもあった。パワーユニットの信頼性は高いのだが、残念ながらクルマのほうは、それほどでもなかったからだ。それは昨年終盤のかなり遅い時期になってから、クルマのパッケージをまとめ始めたことや、チーム組織が再建途上であることの直接的な影響だ」
「ドライビングに関して言えば、ジョリオンは急速にペースをつかみつつあり、感心させられている。ケビンはもっと良いパフォーマンスを発揮できるドライバーだと思う。といっても、彼が力を出し切っていないと批判しているのではなく、彼の将来性を信じているという意味だ」
さらに彼は、メルセデスのジュニアドライバーで、現在チームのリザーブを務めるエステバン・オコンを昇格させる可能性も、否定はしなかった。
「エステバンは、いずれ何らかの形で、彼にどれだけの能力があるかを証明できるだろう。それもガレージの中でではなく、クルマに乗ってだ。私たちも、彼にそういう機会が訪れることを願っている」
「彼はトト・ウォルフ、メルセデス、ルノーという、信頼できる人々の庇護下にある。彼にとって、今後訪れるであろう機会をつかむには、理想的な立場と言ってもいい。だから、彼の将来については何の心配もしていないよ」