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ヒラリー・クリントンを女性セレブはどう評価? クロエ・グレース・モレッツ、メリル・ストリープらの声

2016年08月08日 13:41  リアルサウンド

リアルサウンド

リアルサウンド映画部

 今年11月に行われる米大統領選挙において、最終的に共和党のドナルド・トランプと、民主党のヒラリー・クリントンが各党の大統領指名候補に決定。若手人気女優のクロエ・グレース・モレッツをはじめ、オスカー女優のメリル・ストリープやジェーン・フォンダ、歌手のケイティ・ペリーやマライア・キャリー、ビヨンセなど女性セレブたちがこぞってクリントン候補支持を表明。女性の成功や昇進を阻む“ガラスの天井”を破ろうとする初の女性大統領候補を、どこまでガールズ&ウイメンズパワーで押し上げられるかに注目が集まっている。


参考:アメリカ史上最悪の銃乱射事件を、映画界のセレブたちはどう受け止めたか?


 今回初めて大統領選挙で投票することになる、19歳のクロエ・グレース・モレッツは民主党の全国大会に出席し、若者世代としてクリントン候補の応援スピーチを披露。「私にとって初めての大統領選で、ヒラリー・クリントンに投票できるなんて光栄です」と語り、さらに若い世代の選挙離れにも触れ、「2014年の議会選挙において、若い世代の内5人に4人が投票に行かなかったという事実が残念でなりません。私たちの声を届けることによって、この国の行方が大きく変わるという意識を強く持って欲しいのです」と同世代の若者たちに熱く語りかけた。


 クロエ同様以前からクリントン候補を応援してきた歌手のケイティ・ペリーも同大会に登壇し、同候補のイベントではおなじみの曲「Roar」とニューシングルの「Rise」を熱唱。「私は残念ながら高校卒業を果たせず、ちゃんとした教育を受けるチャンスを逃してしまったけれど、幸いにも開かれた心と投票権だけは失わずにいます。だからこそ11月8日の投票日には、全米ライフル協会のロビイストや、大富豪と同様の一票の投票権を持つみなさんに、開かれた心と投票権を使って、ぜひともクリントン候補に清き一票を投じていただきたいのです。今回の大統領選は今まであなた方が生きてきた社会ではなく、今後あなた方が生きるべき世界のための大切な機会なのです」と訴えた。


 クリントン候補を支持する、3度アカデミー賞に輝いたベテラン女優のメリル・ストリープは、ニューヨーク・パブリックシアター・ガラの舞台で、対立候補のドナルド・トランプ候補に変装。顔を日焼けしたようにオレンジ色に塗り、赤いネクタイに着ぐるみのようなビッグサイズのスーツ姿、そしてトレードマークのヘルメットヘアでビシッとキメ、ミュージカル「キス・ミー・ケイト」の楽曲を“You'll let me know why it is all the women say no,”(なにゆえすべての女性の返事がいつもノーなのか教えて欲しい)とコミカルに熱唱。男性がどうすれば女性をゲット出来るかという内容の曲を選挙戦に置き換え、女性の共感をなかなか得られないトランプ候補の苦境をイジってみせた。


 クリントン候補に比べると女性の支持率は低いとはいうものの、もちろんトランプ候補にも女性の支持者はいるわけで、女優のカースティ・アレイやステイシー・ダッシュ、エイミー・リンゼイや歌手兼女優のリンジー・ローハンらがトランプ支持を表明。リンジーは「私の父親は彼を若い頃から知っているし、私も個人的にトランプ候補を知っているけれど、彼はとてもステキな人よ。みんなよってたかってトランプ氏に対して意地悪過ぎるわ!」と援護発言。共和党支持者の彼女はトランプ候補を“人として評価する”と言いながら、じつは自分はヒラリー・クリントンのファンであるとも明かしている。


 一方、筋金入りの共和党支持者として有名なクリント・イーストウッドは、トランプ候補に関してはどうも歯切れが悪い。Esquireのインタビューでは、クリントン候補とトランプ候補のどちらを選ぶかという質問に「それはとても難しい質問だね。個人的にはトランプ支持者ではないけれど、最終的にはトランプ候補を大統領に選ぶだろうね」と慎重に答えた。これまでもオバマ政権批判をしてきた彼にとっては、オバマ大統領の後継者であるクリントン候補も否だし、かといって全面的にトランプ支持に回ることもできないという立場のようだ。


 世界を見渡してみると、日本では先頃小池百合子氏が女性初の東京都知事に当選。イギリスではマーガレット・サッチャー元首相以来26年ぶりの女性首相となるテリーザ・メイ新首相が誕生し、ドイツでは初の女性首相アンゲラ・メルケルが活躍中。この女性パワーの波に乗り、クリントン候補が悲願である女性初の米大統領の座に就くことが出来るか否かを世界中が注視している。アメリカ国民は今、爆弾発言を繰り返すトランプ候補か、あるいは富裕層寄りのクリントン候補かの厳しい二者選択を迫られているのだ。(平野敦子)