ペットを飼う人にとって、その存在は家族同然だ。死んだときに受けるショックは大きい。犬・猫を対象にする保険を販売するアイペット損害保険が「犬・猫を対象としてペットとの別れに関する調査」を実施し、8月5日に発表した。
老衰で死亡の場合、半年近く不調を引きずるケースも
調査は、15~69歳の犬猫飼育経験者で、ペット(ここでは犬・猫)との死別のほか、失踪、脱走などで別れを経験した544人を対象に行った。死別理由で最も多かったのが「老衰」で43.6%。病気が33.1%、事故が8.5%と続く。
このうち、「老衰」が原因でペットと死別した人に「不調の症状が出たか」を質問したところ、63.2%が何らかの症状を感じていると回答。具体的な症状としては、「突然悲しくなり、涙が止まらなくなる」が63.5%、「疲労感や虚脱感、無気力、めまい」が37.2%、「眠れない」が27.9%など、大切なペットとの死別は飼育者の心身に影響を与えている。
「不調が続いた期間」については、46.2%が「1か月未満」と回答。一方、「1~3か月未満」、「3~6か月未満」、「わからない」の回答の合計が約4割に上る。不調の症状は1か月ほどで治まることが多いものの、人によっては長くて半年近く引きずるケースもあるようだ。
「もっと一緒の時間を過ごせばよかった」「脱走対策をすればよかった」
「ペットと別れて後悔していることはあるか」の質問に対しては、68%が「後悔している」と回答。具体的な後悔の内容を犬猫飼育別に聞くと、「もっと一緒の時間を過ごせばよかった」は犬飼育者が45.8%、猫飼育者が36.9%と最も多い。
一方、犬猫飼育者で回答が分かれる項目もある。「もっと健康管理に気を使ってあげればよかった」が犬飼育者は29.2%、猫飼育者が33.8%、「脱走対策をすればよかった」については犬飼育者が4.2%に対して猫飼育者が10.0%と差が見られる。「後悔していることはない」が犬飼育者は33.9%、猫飼育者が27.5%であり、猫飼育者の方が健康管理面や脱走面などで死別後の後悔が強い。同社は「脱走対策に関する後悔は、犬と比べて完全室内飼育率が低い猫の飼育者に特徴的な回答だと言えるのかもしれません」とコメントしている。
日本ペットフード協会の資料(2016年1月発表)によると、家の外に出ない猫の平均寿命は16.40歳に対して、家の外に出る猫の平均寿命は14.22歳と、寿命に差が見られる。外に出ると事故やケガ、病気の危険性も高まり、寿命に影響するのだろう。
かけがえのないペットとの別れは辛いものだが、88.3%の人が「ペットを飼って良かった」と回答している。家族同然のペットと過ごした時間は、飼い主にとっては素敵な思い出として記憶に残るようだ。
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