ARTA Project Race Report
第5戦 富士 決勝レポート (GT300)
チーム連携でポール・トゥ・ウィン!
午前のセッションは決勝のセット確認を行う予定だったが、ちょっとしたメカニカルトラブルが出てしまい、セッションを有効に使えなかった。しかしながら、トップタイムで朝のフリー走行を終えた。
スタートドライバーは高木真一。高木はスタートで2番手の車を牽制しながら1コーナーに入っていった。10周目までは安定したペースで2番手を引き離していたが、無線で水温が高くなってきた事を訴えてきた。しかし、水温を下げる方法はなく、高木は車を労りながら走行を続けた。
その5周後くらいに300クラスの他車のパーツがコース上に落ちてしまい、セーフティーカーが入る。セーフティーカーが入った事でストレート上で車両を一度止めなくてはならないが、高木は止まる事による水温の上昇を気にしていた。
しかし、ストップしている時間は少なく、数周後に再スタート。タイヤを冷やすことも出来て、安定したペースで走る事が出来た。高木は長めに走行する事を想定していたが、ライバルの2番手の車が先にピットインしたので、作戦を変更して、ピットインを早めた。
チームは素早い作業で2番手に6秒の大差をつけて小林崇志をコースに送り出した。小林はトップをキープしながら周回を重ねたが、終盤2番手の車が猛追してきた。小林は無線で「絶対に勝ちます」と言いながら、この接戦を制し、今季初優勝を果たした。
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「いや~、チームもドライバーもブリヂストンタイヤも本当に良く頑張ってくれた。嬉しい!他に言うことは無い」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「決勝は高木さんでスタートしたのですが、バランスが良いとは言えませんでした。車のコンディションを高木さんから無線で聞いて、小林さんのスティントでそれを生かそうと思いました。小林さんはとても良いペースで走ってくれて何とか優勝する事が出来ました。次回も良いレースが出来るように頑張ります」
高木真一選手のコメント
「序盤に10秒以上のマージンを築こうという目標を持ってスタートしました。全セッションでトップタイムをマークしてきたので、その自信はありました。しかし、フタを開けてみると、操縦性に問題があったり、水温が高くなったりと色々な問題が出てきました。スリップに入らないようにしたり、フレッシュエアーがラジエターに当たるようにするなど、車を冷やしながら何とか凌ぎました。しかし、凌ぎきれない場面でセーフティーカーが入ってきて助かりました。タイヤも水温も上手くクールダウン出来たので、ここで操縦性や水温の心配も少なくなりペースを安定させる事が出来ました。なので、ボクのスティントをなるべく伸ばそうと思いました。しかし、ライバルのアウディが先にピットに入ってしまい、ニュータイヤで勝負されると、裏側で差を縮められてしまうので、早めにピットインする作戦に変更しました。チームはピット作業をとても早くやってくれて、アウディに6秒も差を付けられました。小林も粘り強く頑張ってくれて優勝出来ました。今回はブリヂストンが良いタイヤを作ってくれたのと、チームが良い車を作ってくれたおかげだと思います」
小林崇志選手のコメント
「朝のフリーとかペースは良かったのですが、アウディが迫ってくるような気がしていました。予想通りアウディに攻め立てられる状況になってしまいました。しかし、チームがピット作業を頑張ってくれたので、ボクに代わった時に6秒の差をつけてコースに入れました。終盤アウディを抑えるのが辛かったですが、無線で励ましの声をチームからもらってミスもする事なく、何とか勝つ事が出来ました。これでランキングもトップになりましたが、気を抜かずに次回のレースも頑張ります」