気温34℃、路面温度52℃に達したスーパーGT第5戦富士の決勝。レース序盤から接触やアクシデント、トラブルが多くセーフティカーが入るなど波乱の展開となったが、いったい何が起きていたのか。ここではGT500クラスで起きたアクシデントで把握しているものをお伝えする。
●8周目 ドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GT
左リヤタイヤから白煙を上げてそのままピットへ向かうも、アップライトが折れていたためガレージ入りでリタイア。「13コーナーでGT300のマシンがインを空けてくれたと思って『ありがとう!』と思って入っていったら、すごい勢いで横っ面ドーンという感じで当てられました。あの勢いは(相手が自分のことを)完全に見えていない感じでした」(武藤英紀)
●10周目 KeePer TOM'S RC F
ストレート走行中にリヤウイングのステーが壊れ、リヤウイングが舞い上がり脱落。KeePerはそのまま1コーナーを止まりきれずオーバーラン。ピットに戻ってリヤウイングをステーからアッセンブリー交換し、コースに復帰するも7周遅れに。ステーが壊れた原因は分かっていないが、リヤウイングは3メーカーの共通パーツ。今回は富士仕様のリヤウイング&ステーを装着しており、剛性面ではもともと不安があるパーツだったという。
●10周目 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R
走行中、水温、油温が想定より高くなってエンジンに不具合が発生し、ピットへ。エンジンをチェックし、不具合が起きたと思われるパーツを交換してコースに復帰するも、エンジン本体のダメージに不安が残るため、再びピットに入りリタイア。
●34周目 MOTUL AUTECH GT-R
ロニー・クインタレッリから松田次生に乗り替わった後、シフトアップに不具合が発生。ラップタイムが落ちて前を行くNSX勢から離され始めるが、レース終盤に直り、そこからペースアップしてNSXの直後で4位フィニッシュ。84kgのウエイトを搭載しながらNSX陣営を驚かせたが、ギヤの不具合がなければ表彰台が見えていた可能性も……。
●35周目 S Road CRAFTSPORTS GT-R
本山哲から千代勝正に乗り替わって3周目の35周目の1コーナーでブレーキトラブルが発生し、千代はマシンをスピンさせて制止を試みるも速度が高いまま1コーナーのタイヤバリアにクラッシュ。千代はすぐにクルマを降りて怪我がないことをアピールするも、その後、精密検査を受けに医務室に運ばれ、病院へ移送。大事には至っていない模様。