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GT500:トラブル続出の酷暑の決勝、カルソニックGT-Rがリベンジを果たす今季初優勝

2016年08月07日 18:11  AUTOSPORT web

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2016スーパーGT第5戦富士 優勝したカルソニックIMPUL GT-R
2016年スーパーGT第5戦富士のGT500クラス決勝レースは、数多くのトラブルやアクシデントがありながらも、カルソニックIMPUL GT-Rが第2戦富士のリベンジを果た、今季初優勝を飾った。

 前日の予選日に引き続き、気温33度、路面温度49度という酷暑の中で66周のレースがスタート。ポールポジションのカルソニックGT-Rはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが前半を担当し、しっかり1コーナーをトップで通過すると後続を徐々に引き離す力強い走りを見せていった。

 一方、後方ではトラブルに見舞われるマシンが続出。7周目にはドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GTの武藤英紀が左リヤタイヤ付近から白煙を上げスロー走行。GT300のマシンと接触し、アッパーアークを破損。ピットまで戻ってくるが、そのままガレージにマシンが戻されてしまう。さらに前回のSUGOを制したフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rもガレージにマシンを入れてしまった。

 10周を過ぎ、カルソニックGT-Rが先行し、S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲が2番手で追いかける展開。今回84kgのウエイトハンデを背負っているMOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリが序盤から3番手を死守するが、さすがにウエイトの影響があるのかペースを上げられず、KEIHIN NSX CONCEPT-GTの小暮卓史とRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴が接近。三つ巴の3位争いに注目が集まった。

 レースも中盤に差し掛かろうとした19周目、GT300クラスのアールキューズSLS AMG GT3が2コーナーを過ぎたところで、接触の影響でボンネットが飛んでしまうアクシデントが発生。コース上にパーツが落下したため、撤去のためにセーフティカーが導入された。

 この段階でカルソニックGT-Rのリードは5秒だったが、セーフティカーの影響でゼロに。それでも25周目の再開時に見事にスタートダッシュを決めてS Road GT-Rとのリードを広げにかかる。一方の本山も遅れまいと2秒前後の差を維持しチャンスを伺った。

■2番手走行の千代が高い速度のまま1コーナーで大クラッシュ

 レースの折り返しに差し掛かる32周終わりでS Road GT-Rがピットイン。千代勝正が乗り込みコースに復帰。翌33周終わりでカルソニックGT-Rもピット作業を行い、オリベイラから安田裕信に交替した。

 後半もこの2台の争いかと思われたが、34周目のTGRコーナー(1コーナー)で、千代がコースオフ。スピードが落ちないままタイヤバリアに激突した。大きなインパクトだったが、自らマシンを降りて無事をアピールしていた。

 これで2位に上がったのはRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの伊沢拓也。前半の山本がセーフティカー明けに4番手に浮上。さらにピットストップの間にMOTUL GT-Rも逆転していた。RAYBRIG NSXはここまで不運続きだっただけに、このままトップを追いかけたいところだったが、後半スティントで速さを見せていたKEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越広大が接近。伊沢と塚越がホンダ勢トップをかけた一歩も譲らないバトルを展開する。

 テクニカルなセクター3で追いつき、ストレートで並びかけようとする塚越に対し、伊沢はきっちりイン側を抑えてポジションを譲らない。1コーナーで塚越がインを奪い並びかかるも、伊沢は冷静にクロスラインで順位を守る。およそ3周にわたって続いたバトルだったが、最終的に51周目に塚越が粘り勝ち、1コーナーからコカコーラ・コーナーの流れで2番手に浮上した。

 さらに2台が争っていた間に、MOTUL GT-Rの松田次生も接近。重いウエイトをもろともせずに表彰台圏内を狙っていった。

 後続のバトルにも助けられ、今回は独走状態でラスト10周を迎えたカルソニックGT-R。安田が着実に周回を重ね、最終的に25秒もの大差をつけてトップチェッカー。見事、第2戦のリベンジを果たす今季初優勝を飾った。

 2位にはKEIHIN NSX CONCEPT-GT、3位にはRAYBRIG NSX CONCEPT-GTが続き、ホンダ勢に待望の今季表彰台をもたらした。MOTUL GT-Rも最後まで攻めたが0.3秒届かず4位チェッカー。それでもトータル50ポイントでランキング首位をキープ。次回は早くも100kgのウエイトハンデを積むことになる。