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GT300:その差わずか0.1秒。最終周の猛攻防いだARTA M6が待望の今季初優勝

2016年08月07日 17:51  AUTOSPORT web

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2016スーパーGT第5戦富士 最終周にデッドヒートを繰り広げたARTA BMW M6 GT3とHitotsuyama Audi R8 LMS
スーパーGT第5戦富士は7日、富士スピードウェイで66周の決勝レースが行われ、GT300クラスはポールポジションからスタートしたARTA BMW M6 GT3が終盤、Hitotsuyama Audi R8 LMSの猛追を振り切り今季初優勝を果たした。

 昨日よりもいっそう強い日差しが降り注いだ富士スピードウェイ。ただし、気温33度、路面温度49度と予選時とほぼ同じコンディションで決勝レースがスタートした。

 序盤、トップのARTA M6の高木真一は後続に1.5秒のギャップをつけて順位をキープ。2番手Hitotsuyama Audiの藤井誠暢がそれを追いかける展開となる。

 その後ろではJMS LMcorsa 488 GT3都筑 晶裕とSUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人による3位争いと、グッドスマイル 初音ミク AMG片岡龍也と31号車TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨宏紀の5位争いが白熱していた。

 片岡と嵯峨は3周目に入ったところで順位逆転。嵯峨はさらに、BRZ井口にかわされたフェラーリ都築に迫ると、7周目には4番手まで上がっている。


 後続の争いを尻目に、首位を走る高木だが、後方からはじわじわと藤井が接近してくる。10周目にはその差が0.3秒となり、1コーナーで藤井が高木に襲い掛かるが、高木が巧みにブロック。

 2台の戦いに注目が集まったが、直後に後方のGULF NAC PORSCHE 911とアールキューズ SLS AMG GT3が接触。アールキューズ SLSはコカ・コーラコーナー手前で、ボンネットが外れた状態でストップしてしまった。

 このパーツ回収のために、決勝レース唯一のセーフティカーが導入される。
 24周目に入るところでレースはリスタート。上位陣はステイアウトを選択するが、このタイミングでLEON CVSTOS AMG-GT、VivaC 86 MCら数台がピットインしていく。4番手を走行していた31号車プリウスは26周を終えてピットに戻ってきたが、作業を終えたものの再スタートを切ることができず、大きく順位を落としてしまった。

 ARTA M6とHitotsuyama Audiによるトップ争いはリスタート後も変わらず白熱。29周を終えて、先にピットに戻ったのはHitotsuyama Audiだった。藤井からリチャード・ライアンに交代してコースへ復帰する。

 直後、Hitotsuyama Audiのピットインを確認したかのように、翌周ARTA M6がピットインして小林崇志に交代。2台の順位は変わることなくレース後半へと突入していった。

 最後までピットインを引っ張ったTAISAN SARD FJ AUDI R8が41周目を終えてピットに戻ると、ようやくGT300クラスの順位が整理され、トップはARTA M6。ピット作業でギャップを広げ、Hitotsuyama Audiとの差は5.4秒となっていた。

 しかし、1分40秒中盤から後半のタイムで周回していくARTA M6に対し、40秒前半にタイムを入れるペースでHitotsuyama Audiが猛追する。

 53周目にはそれまでの自己ベストを更新し、1分39秒6をマークしたライアンが、一気に2.9秒差まで詰めてきた。ライアンはさらに39秒台を連発して小林の背後に迫ると、59周目にはその差がいよいよ1秒を切る。

 最終ラップに入った時点で両者のギャップは0.5秒差に。なんとか抑えきっていた小林だが、プリウスコーナーでわずかにラインが膨らみ、テール・トゥ・ノーズに持ち込まれる。

 スリップストリームを使って加速してくるライアンはコントロールライン直前で横に並びかけるも、小林が0.1秒差でトップを守りきりチェッカー。ライアンの猛攻をしのぎ切ってポールトゥウィンを飾った。

 惜しくも2位となったHitotsuyama Audiは初表彰台。3位には前戦SUGOに続き2戦連続でBRZが入っている。