MotoGP第8戦オランダGPのMoto2クラスで日本人ライダー6年ぶりとなる優勝を果たした中上貴晶。夏休みで帰国した中上の取材会が、8月5日にホンダ青山本社で行なわれた。
中上は集まった報道陣を前に4歳から始まったバイク人生を振り返り、全日本からスペイン選手権に移って苦戦したこと、世界GPフル参戦シートを得たものの2年後には再び全日本に戻らざるを得なかったときの不安について語った。
2011年の日本GP代役参戦したレースが再び世界選手権に戻るきっかけとなったと語る中上。
「せっかくのチャンスだったのに、決勝日朝のウオームアップ走行中に転倒。骨折してしまい、医務室でうなだれていたらウインターテスト参加の書類を持ってチームマネージャーが来た。その場でサインをしました」
その後、イタルトランスで2シーズン。チームアジアに移籍して3シーズンを世界選手権で戦い、6月に開催されたオランダGPで初優勝を遂げた。
「世界GP通算111戦目で初優勝。ものすごい時間がかかった。長かったなって思う。やっと手に入れた1勝。すごく重みがある。やっと勝てた。パドックでもチームだけではなく、ドルナやイルタといった運営スタッフ、世界中のメディア、みんなが祝福してくれた。みんな気にしてくれていたんだ、待っていてくれたんだな、支えてくれていたんだなって、改めて思いました」
日本GPを前に、ヨーロッパラウンドで優勝できたことも、よかったと語る中上。
「日本GPは周りから優勝しか求められていない状況にある。みんなからすごく期待されていることが伝わってくるので、自分はそれにこたえるだけです。今年は今まで以上に成績が残っているから、日本GPでは優勝しか考えていません」と優勝宣言。
現在はランキング5位。「日本GPまでにはトップとのポイント差を詰めて、チャンピオン争いも見せたい」と中上。短い夏休みを終え、次戦オーストリアに臨む。