メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、F1におけるトラックリミットの規則を緩和すべきだと主張した。レッドブル・レーシング代表クリスチャン・ホーナーは、規則がよりシンプルになることを希望している。
FIAはドライバーたちがコース外を利用してより速いタイムを記録しようとする動きを厳しく規制してきた。ドイツGP前のストラテジーグループ会合では、トラックリミット違反にペナルティを与える方針を変更することで合意に達したにもかかわらず、金曜日の会見でチャーリー・ホワイティングはペナルティの廃止は「適切ではない」と発言。その後、FIAは全チームに指示書を送り、ドイツGPでのトラックリミットに関して注意を促している。
「コースを外れた場合、本来であればウォールにヒットするかグラベルベッドにはまるかなのだが、そこがターマックなのであれば、彼ら(ドライバーたち)に最速のラインを走らせればいい。たいした違いはないではないか」とウォルフは主張した。
「多数のランオフエリアが設置され、どんどんエキサイティングなシーンが減ってきている。なぜ観客が我々がしていることへの関心を失っているのか、考えなければならない」
「私としては、(シルバーストンの)クラブやコプスではドライバーに自由に最速のラインを取らせてやればいいと考える」
「バリアに近すぎて危険な場所であったり、コースに復帰するときに他者を危険にさらす可能性がある場所では、そのひとつのコーナーに関して詳しく検証すればいい」
「しかしそれ以外に関しては、彼らを自由に走らせよう。好きなラインを取らせて、エキサイティングなシーンを演出しようではないか」
「ドライバーがタイヤを白線に2センチ乗せてラップタイムがよくなったかどうか分析したところで、誰も理解できない。6kmのコースで2センチなどなんの影響もない」
一方、レッドブルのホーナーは、トラックリミットの規則は簡略化すべきであると主張している。
「コースに沿って白線が引かれている。(トラックリミットを管理する)一番簡単な方法は、4輪すべてラインを越えたらアウト、と決めることだ」とホーナー。
「他のスポーツでは、ボールにしろ足にしろ、そういうやり方でうまくいっているようだ」
「そういった規制に消極的な意見もある。それももっともであり、そうであれば、ドライバーたちにそこにあるものを利用させるべきだ」
「たとえばターン1とターン17で違う規則を採用するべきではない。ファンだけでなく我々パドックの関係者にとってもあまりに分かりにくいからだ」
「そういった状況は明確ではないと私は思うし、避けるべきだと考える。単純な規制を設けるか、彼らを好きなように走らせるか、どちらかにすべきだ」