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アルゼンチンで衝撃的事件を起こした本人と接触? 『エル・クラン』制作秘話&場面写真公開

2016年08月05日 15:51  リアルサウンド

リアルサウンド

『エル・クラン』 (c)2014 Capital Intelectual S.A./MATANZA CINE/EL DESEO

 9月17日公開の第72回ヴェネチア映画祭映画祭銀獅子受賞作品『エル・クラン』より、制作秘話と追加場面写真が到着した。


参考:


 1983年にアルゼンチンの平和な街で実際に起きた事件をモデルに、周囲からも慕われる家族“プッチオ家”に隠された秘密と、“プッチオ家”のまわりで多発する金持ちだけを狙った身代金事件を描く。本作は『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール』のペドロ・アルモドバルが製作を手がけ、アルゼンチンの俊英パブロ・トラペロが脚本・監督を務めている。


 「一家」を意味する「エル・クラン」というタイトルは、アルゼンチン人であれば誰もが知っている衝撃的な事件を引き起こした“プッチオ家”を指している。主導したのは父アルキメデスだが、母や5人の子どもたちも犯罪である自覚を持ちながら事件に関わっていた。


 監督のパブロ・トラペロは本作の企画立案にあたり、事件の裁判官やジャーナリスト、周囲の住人など多くの関係者に取材を行った。実在のプッチオ家の面々にも取材を試みたが、母からは会うことを断られ、その息子たちへの取材も実現することはできなかった。しかし、本作の製作が発表された2012年、「トラペロ監督に会って真実を話したい」と父アルキメデス本人からメディアを通して接触があったという。当時、監督は別の企画のために国外におり、急いでアルゼンチンに戻るのだが、アルキメデスが突然亡くなってしまい、直接の取材を実現することができなかったのだ。しかし、家族間の手紙や証言などで大量の取材を行っていた監督は、「アルキメデスがなぜ家族を巻き込んで身代事件を起こしたのか、今なら想像がつきます」と語っている。(リアルサウンド編集部)