2017年に世界ラリー選手権(WRC)へ復帰するTOYOTA GAZOO Racingは、チームにオット・タナクとWRC2の有力ドライバーを迎えることを目論でいるようだ。
TOYOTA GAZOO Racingのチーム代表を務めるトミ・マキネンは、マキネンは今月中旬のWRC第8戦ドイツ後に訪日し、そこで最終的な決定が下されるとみられる。
■第一候補はタナク? ポイントは来季の“目標”
候補として名前が挙がっているタナクは昨シーズン、MスポーツからWRCに参戦。しかし、昨年限りでMスポーツのシートを失ったため、今年はプライベートチームのDMACKワールドラリーチームからWRCに参戦している。
また、同じく昨年限りでMスポーツのシートを失ったエルフィン・エバンスをはじめ、WRC2で戦うティーム・スーニネンやエスペッカ・ラッピ、ポンタス・ティデマンドらも、ドライバー候補として名を連ねているようだ。
「チームに参加して欲しいと考えているドライバーの名前を教えることはできる。しかし、現時点で決まっていることはなく、最終的な判断は日本側とともに下す」とマキネン。
「ドライバーラインアップを決める上で重要なのは、我々が何を目的とするかだ。具体的には、2017年シーズンの成績を追い求めるのか、それとも、その先の結果を重視するのかだよ」
「この点は日本側と念入りに議論する必要がある。その上で最終的な判断を下すつもりだ」
マキネンは現在トヨタ・ヤリスWRCのメイン開発ドライバーを務めるユホ・ハンニネンについて「WRCでの経験が豊富で、学習能力と分析能力が極めて高く、とても有能なドライバーだ」と高評価を下しており、レギュラードライバー候補筆頭と言える。
「ヤリスWRCについて誰よりも深く理解しているし、テストも順調にこなしている。彼の活躍は(来年だけでなく)2018年に向けた準備にも役立っている」
■マキネン「できるだけ早く表彰台に」
また、長年フォードとシトロエンのワークスドライバーを務めたミッコ・ヒルボネンもトヨタ開発チームに合流にしているが、マキネンはヒルボネン起用の可能性については否定したほか、17年シーズン開幕時には2台のヤリスWRCを準備し、その後シーズン中に3台目のマシンを追加する計画であることも明かした。
「3台体制で戦うためのインフラ整備は整いつつある。しかしシーズン開幕から3台体制で戦うには、途方も無い作業が必要になってしまうんだ」
「だから、序盤は2台で戦い、数戦後に3台目のヤリスWRCを追加するほうが現実的だろう」
なお、マキネンによれば、トヨタは復帰初年度に結果を出すことを求めてはおらず、17年も開発を念頭に置いた年になるだろうと語った。
「17年シーズンは各イベントについて知識を深めていく年になる」
「優勝争いに加わる準備が整うのは、2018年になるだろうね。具体的な目標? もちろん、できるだけ早く表彰台に登りたいとは思っているよ」