DTMドイツ・ツーリングカー選手権でメルセデスの顔として長年ワークスドライバーを務めるゲイリー・パフェットは、先週末に開催されたスパ・フランコルシャン24時間レース出場を果たした。この経験により、パフェットは自らのスポーツカー・レーシングへの欲求がさらに強くなったと語っている。
2005年DTM王者であるパフェットのGTレースデビューは、メルセデスのワークス待遇を受けるHTPモータースポーツからのエントリーで実現。週末を通じて、メルセデスAMG GT3のステアリングを握った。
彼のキャリアにとって、依然DTMが優先順位のトップであることは間違いないが、今回の24時間耐久レースで体験したものは、メルセデスを通じて、DTM以外のスポーツカーレースでのチャンスをつかみたいという、自身の欲望を確固たるものにしたという。
「週末が進む間、僕はそのことについてばかり考えていた。だけど、もうレースは終わってしまった。今確実に言えるのは、もっとGTカーでレースをするためここに100パーセント戻ってくる、ということだ」
「もちろん、マシン(の速さ)はDTMに及ばないし多少の違いもある。でも65台のマシンがトラック上にいて、毎周4~5台をオーバーテイクし続けるレースなんて他のどこでも見られない。信じられない体験だったよ」
■初挑戦のスパは「ジェットコースターのようだった」
今回パフェットは、DTMでも同じメルセデス陣営に所属するマキシミリアン・ゴッツと、同じくメルセデスAMGのカスタマーサポートで責任者を務める元DTMドライバーのトーマス・イェーガーとチームを組んだ。ゴッツは予選スーパーポールのセッションをトップ通過するも、イエロー区間無視でタイムを抹消されている。
HTPモータースポーツは、20台が進出できるスーパーポールに出場した6台のAMG GTのうちの1台としてスタートすることになったが、技術的部分での規定不備を指摘され、レースでは5分のペナルティを受けることとなった。
それでもレース終盤までに表彰台圏内の3番手まで浮上すると、そのまま堅調に進むかと思われたが、最後のピットストップの際に“アンセーフ・リリース”のペナルティを取られ、ドライブスルーを消化。最終的に5位でレースを終えた。
「これは誰が見ても“普通のスパ24時間”で経験できることだとは思わない」と、パフェット。
「僕らは素晴らしいスピードを見せて、ペナルティやさまざまな問題を乗り越えて、はるか後方のポジションから表彰台圏内までカムバックしていた」
「でも最後の最後、残り30分ほどで、ペナルティを受けてしまい表彰台を逃した。本当に、ジェットコースターに乗っているような感じだったよ」