メルセデルのルイス・ハミルトンはここ7戦6勝中。7月の4連戦では全勝を挙げて、5月にはチームメイトのニコ・ロズベルグから43ポイント差で下回っていた差が、今では19ポイントを上回る快進撃を見せている。
ハミルトンのF1でのベストフォームはメルセデス加入初年度、最後の7戦で6勝を挙げチャンピオンに輝いた2014年と言われているが、今の彼はそれと重なる勢いがある。
「(ハミルトンは)とても良い流れを作った。印象的な記録と言えるね。ルイスは昨シーズン終盤から今年序盤にかけての(7戦連続で勝利を収めた)ニコのように、ポイントを落とさず自身の実力を取り戻していった」とウォルフ。
「”勢い”というものがあるとすれば、それをキープしているのが今のルイスだ。しかし、波というものはどこから来て、どう変わるのかわからないものだ。サマーブレーク後にそれが継続しているかどうか、今から興味深いね」
近年の記録を見るとハミルトンが負ける時といえば、何らかの問題に直面した時といえる。これに対しウォルフは「彼は優れた才能と速さを持ち合わせ、調子が良い日には誰にも止められなくなる。しかしF1はメカニカルスポーツで、彼は人間だ。悪い日がもっと悪くなる時だってある。ルイスがすべてのレースで勝利しているわけではないのはそれが理由だと思う。私はルイスとニコが卓球のラリーのようなバトルをし続けていること、それに耐えず進んで挑み続ける姿勢に本当に感心しているよ」
一方のロズベルグは序盤の4連勝と好スタート切ったものの、ここ8戦でわずか1勝と波に乗り遅れている。先日のドイツGPでもペナルティを受けた影響もあり、4位に終わった。ウォルフはロスベルグが次のレースの週末に向けて復調し、そのパフォーマンスを8月終わりのスパで披露してくれることに期待を抱いている。
「彼は立ち直るさ。今シーズン序盤と昨年の終盤のニコは凄まじかった。まだ9レースも残っているし、200ポイント以上獲得可能なのだ。なんだってできる。彼は精神的に強いが、まだ何も成し遂げていない。私は彼が数日間で立ち直り、スパでさらに強くなって戻って来ることを信じているよ」