唯一の3.5リッターを積むE400 4マティック エクスクルーシブ Sクラス、Cクラスに続いて、最新世代に生まれ変わった新型『メルセデスベンツ Eクラス』が日本に上陸。7月27日から受注受付が開始された。
エクステリアは兄弟にうりふたつというコンサバな印象の新型Eクラス。しかし、その内容の進化は著しい。
何より驚かされるのは自動運転/運転支援技術の充実ぶりだ。メルセデスでも初採用となるウインカー点滅に連動した自動車線変更機能となる『アクティブレーンチェンジアシスト』を皮切りに、『アクティブ・ブレーキアシスト』は正面のみならず、側方からの車両や横断歩行者も検知。状況によってはブレーキングに加えステアリングでの衝突回避も試みる先進テクノロジー。これに世界初となる『アクティブエマージェンシーストップアシスト』も加え、ドライバーの操作入力が途絶えたと判断した場合、減速・完全停止までを行う。
さらに、これまでも追従性や認識に定評のあったメルセデスのACC(アクティブ・クルーズコントロール)『ディストロニック』には、新たに『ディスタンスパイロット』と『ステアリングパイロット』を追加。加減速はもちろんレーンキープ、信号停止・再発進も自動に。本国では車外からスマホ操作での駐車までやってのける。ほぼ完全自動運転と言っていい内容を備えている。
クルマとしての基本も磨き上げられた。異素材の組み合わせにより高い剛性を得たハイブリッドボディをベースに、マルチチャンバー構造のエアサスペンション“Air Body Control”はしなやかな乗り味とフラットライドを両立。
『プレセーフ・インパルスサイド』は、フロントシートに内蔵のエアチャンバーを衝突直前に膨らませ、乗員をドアから遠ざけてサイドエアバッグの効果を高めるという、最新の安全技術も取り入れている。
こちらも注目のインテリアでは、ステアリングにタッチ&スワイプでコントロール可能な「タッチセンシティブ」を採用。現行メルセデスではおなじみのLEDアンビエントライティングは64色を設定。シート形状も刷新され、ヒートコンフォートパッケージではアームレストにもヒーターが備わる。メーターとディスプレイが横方向に広がる12.3インチのフローティングモニターは、クラシック、スポーツ、プログレッシブなどの表示デザイン設定も可能となっている。
パワートレーンは従来型を進化させた2リッター直噴ターボに加え、新設計の2リッター・ディーゼルに注目。E220dアヴァンギャルド、同アヴァンギャルドスポーツに積まれる最新型は最大トルク400Nm。排ガス浄化装置一式をエンジンとほぼ一体にまとめた高効率設計とされている。
価格はE200アヴァンギャルドの675万円から、唯一の3.5リッターV6直噴ターボとなるE400 4マティック エクスクルーシブの988万円まで。
自動運転に近い安楽さと快適性を備えつつ、自からステアリングを握りたくなる走りも可能な新型Eクラス。Sクラスの存在を脅かすほど、「すべて」が進化した乗用車の新しいベンチマークと言えそうだ。